全く年末感がないまま年賀状を一生懸命書いていますが笑、
恒例の振り返りです。

 

★2016年の目標一覧
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1)表現・発信する力を向上させる。
指標1:年間25本、ブログ等の記事を書く。
指標2:年間1講座、イラストレーターの基礎講座を受講する。

 

2)多くのものに触れて「のりしろ」を増やす。
指標1:年間25冊の本を読む。
指標2:好きな詩人を2人見つける。
指標3:年間12本の映画を観る。

 

3)人をケアする力を身につける。
指標1:年間1講座、ネイル講座を受講する。

 

4)仕事で頼られる人になる。
指標1:簿記3級のテキストをもう1回やり直す。
指標2:研修、勉強会に年間2回以上参加する。
指標3:保育士試験のテキストを1冊読みこなす。
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以下、個別の振り返り。

 

 

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1)表現・発信する力を向上させる。

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■指標1:年間25本、ブログ等の記事を書く。

→ブログ65記事(260%)+職場経由で記事3本


■指標2:年間1講座、イラストレーターの基礎講座を受講する。

→0講座(0%:来年に回します!)

 

職場のブログは以下9つでした。

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パレスチナのコンテンポラリー・ダンス(7/4)

5年後のイスラエル(7/7)

燃えさしのタバコで思い出した、東エルサレムの子どもの現実のこと(7/25)

「ISはムスリムじゃない、マフィアだよ」(8/4)

「ペレスの弔問になんか、行くべきじゃなかったのに」(10/3)

「よく殺してくれた」と言う少年に出会って(10/17)

"Breaking the Silence"のヘブロン・ツアーに参加して(10/31)

ガザでの不自由さをほんの少し体験して思うこと(11/24)

NGOスタッフが過ごす、ガザでの一日(1)〜病院訪問編〜(12/5)

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自前のブログは10月に1.7万アクセスをいただき、

留学中のブログのペースを最大瞬間風速的に越えたことが

なんだか感慨深かったです。笑

ただダラダラと書きたいことを綴っているだけに

後で読み返すと恥ずかしいのですが、シンプルに嬉しく思いました。

共感いただいた皆さま、本当にありがとうございました。

 

その他、「Tuning」という媒体にもコンテンツを提供しています◎

 

一年を通じて、「書く」マインドに少し戻れた気がします。

来年はブログではなく、別媒体に出す文章に精を出したく。

それから、自分の文章の型が決まり切ってしまっているので、

それを打破することも目標となりました。

 

 

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2)多くのものに触れて「のりしろ」を増やす。

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■指標1:年間25冊の本を読む。

→16冊(64%)+7冊読みかけ


■指標2:好きな詩人を2人見つける。

→1人(50%)

 

■指標3:年間12本の映画を観る。

→14本(116%)

 

アウトプットに偏り気味の1年でした(これは仕方なくもある)。

 

■本リスト

蟹工船」(小林多喜二)

風たちぬ」(堀辰雄)

吾輩は猫である」(夏目漱石)

最後の授業 ぼくの命があるうちに」(ランディ・パウシュ)

アレー! 行け、ニッポンの女たち」(こかじさら)

嫌われる勇気」(岸見一郎、古賀史健)

王とサーカス」(米澤穂信)←友人からのプレゼント

部下を定時に帰す仕事術」(佐々木常夫)

我々はなぜ戦争をしたのか」(東大作)

イスラエル・パレスチナ問題の根源を知る」(朝日新聞・川上泰徳)

リップヴァンウィンクルの花嫁」(岩井俊二)←だんなオススメ

なるほどそうだったのか!!パレスチナとイスラエル」(高橋和夫)

ネットと愛国」(安田浩一)

勝てないアメリカ」(大治朋子)

空白の5マイル」(角幡唯介)

ゆううつ部!」(東藤泰宏)

 

※読みかけ…

Political Conflict and Exclusion in Jerusalem」(Rawan Asali Nuseibeh)

打ちのめされるようなすごい本」(米原万里)←これは敢えて少しずつ。

失われた30年 逆転への最後の提言」(金子勝、神野直彦)

謎の独立国家ソマリランド」(高野秀行)

アメリカ・メディア・ウォーズ」(大治朋子)

『反戦・脱原発リベラル』はなぜ敗北するのか」(浅羽通明)

殺す側の論理」(本多勝一)

 

■映画リスト

「Degrade」(未公開)

「ホーキング」

「パラダイス・ナウ」

「シリア・モナムール」

「オマールの壁」

「パイレーツ・オブ・カリビアン⑴」

「小さいおうち」

「だから まいにち たたかう」

「母と暮せば」

「スターウォーズ フォースの覚醒」

「ライフ・イズ・ビューティフル」

「君の名は。」

「Rough Stage」

「この世界の片隅に」

 

■詩人

私よりずっと若い(かつ尊敬している)友人に薦められた、

田村隆一の詩を「腐敗性物質」で読みました。

 

次々に反射されて行くようなイメージの一つひとつから、

彼の心に刺さったまま抜けない杭のような

戦争の存在感に思いを馳せました。

 

 

目標2に関しては

全体として、私らしい偏りがあることは否めません。笑

米原万里の書評エッセイを読むたびに、彼女の守備範囲の広さと

どこまでも貫き通す彼女らしい視点に唸らされますが、

彼女に倣い、来年はもう少し読む本の範囲を広げたいと思います。

(特に経済。)

 

 

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3)人をケアする力を身につける。

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■指標1:年間1講座、ネイル講座を受講する。

→50%(受講半ば:来年に持ち越し!)

 

駐在までに全5回を終えられませんでした…!

来年終えます。

あと、ハンドマッサージができるようになりたいなー。

 

 

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4)仕事で頼られる人になる。

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■指標1:簿記3級のテキストをもう1回やり直す。

→50%(目を通し直しました)

 

■指標2:研修、勉強会に年間2回以上参加する。

→100%(ヘブライ語講座+安全管理研修)


■指標3:保育士試験のテキストを1冊読みこなす。

→0%(うーん、これはそろそろ削除かもしれない。)

 

仕事、というより趣味の域を出ませんでした!

スキルアップは引き続き課題です。

 

ただ、海外駐在中に自分のことをよくよく考えた結果、

自分のどこを使いどう伸ばして生きたいのか、

方向性が少し見えてきた気がしています。

これが、2016年いちばんの収穫。

たくさんの方に、相談に乗っていただきました。

自分を取り巻く環境に、改めて感謝します。

 

「人に何を求められているか」

「世間的には何が求められるか」

ということで自分を縛らず、

自分に必要だと思うことを、正直に進めたいと思います。

 

 

 

2017年の目標と駐在振り返りは、改めて。

エルサレムから空港へ向かうタクシーの中では

感傷に浸るかと思いきや、結局ドライバーと話しっぱなしだった。

他愛も無い世間話から始まり、話題はいつしか教育になった。

「教育は強く在るための武器だ」と言う友人がいてね、と口にすると、

そのパレスチナ人ドライバーのおじさんがボソリと言った。

 

「その反対でいえば、

『教育を受けられない人間は弱い』ということだな」

 

その通りだな、と思う私の心のどこかで、カチリと歯車が動く。

 

折しもその前日、トルコとドイツで事件があった。

そのさらに前の日には、ヨルダンでも人々が亡くなったばかりだ。

 

暴力は、他の手段を信じられなくなった誰かが使う、

分かりやすい短絡的な「強さ」だと思う。

ひとを怯えさせ、バラバラに散らす。

 

対する市民の私たちは、暴力とどう相見えるべきなのだろう。

感情的に反応する前に、教育を受けて育ってきた私たちなりの、

ただしい強さを発揮できないものだろうか。

 

教育期間を経て育てたはずの、先見。歴史から学んだこと。

冷静に分析する力。俯瞰する力。想像力。人と関わる力。学ぶ力。

 

 

そういったものが、ひとに、メディアに、

溢れていてほしいなぁ。とシンプルに思う。

この自由すぎる世界を、健全な強さで満たすために。

睡眠薬を無くす、という挑戦に出ただんなくん。

うつを患ってから沢山の「杖」をついている彼の暮らしの中で、

この薬は一番太い杖の一つでもあります。

お医者さんと相談したこととはいえ、障害は多いらしく、

生活がガタガタと一気に崩れてしまったそうです。

 

ある日、彼とビデオ通話していたときのこと。

「(パートタイムでお世話になっていた)職場を辞めた」

と、絞り出すように彼が言いました。

普通に出勤できない自分は、迷惑をかけてしまうから。

自分も辛いから。

 

「そっか、ゆっくりやりなよ。

 薬をなくすことに集中すればいい。大変なことだから」。

 

そう答えた私でしたが、次の日を迎えてみると、

しっかり寝たはずなのにベッドから起き上がれない自分に気付きました。

憂鬱で、腕を上げるのもめんどくさい。

こういうのは、精神面の不調です。

 

何とか起き出してお茶を入れていたら、ルームメイトが起きてきました。

キッチンで彼女に何気なく話した言葉が、

「……夫が仕事をやめたの。

でも、何でやめるまえに相談してくれなかったのかなって」

の一言。

 

そこで、やっと気付きました。

あ、自分、傷ついたんだな。

私は、他人に向けた自分の負の感情に疎いのです。

 

 

そこからは解決が早くって、

「君が何しても応援する気でいるけれど、

相談してもらえなくて悲しかった。私は君の、何なの?」

と泣きながら電話で伝え、理由を聴き、謝ってもらいました。

(駐在の最後の日々を送る私を、心配させたくなかったらしい。)

これで大丈夫。

 

 

自分の感情を、正直に伝えるのが一番。

だんなくんがちゃんと話を聞いてくれる人で、本当によかったです。

私はほんとうに、情けないながら、

31歳既婚にもなって、押しに弱いのです。

 

しかし中東は人々の間での連絡頻度が高く、

基本的に「押し」文化なので、

一度誰かに(異性という意味で)気に入られてしまうと

私はたいへん痛い目に遭います。

 

携帯の着信履歴とメッセージが埋まり、

「忙しい」「会いません」「無理」と言っているのに

何度も「今日は?」「週末は?」と訊かれるストレス。

しまいには携帯の画面を見るのも憂鬱になる…という末期症状に達します。

 

だから普段は電話番号は「貰うだけ」で教えないのですが、

友人になれそうだな、と思った相手は別です。

しかし信頼して少し深いところまで話した相手に限って

「僕らはもっと特別な関係になれると思う」と態度が変わってしまう、

というトラブルがたまにあります。

 

そして、ドツボにはまる私の思考回路。

ああ、また私は距離を測り間違えた。

私がバカだった。上手く関係構築できなかった。

誤解をさせてしまった。青かった10代の頃から成長していない。

どうすれば良かったのか。これから何をすれば良いのか。

 

本当はここでブチ切れて、

「てめえ、空気読め!

『嫌よ嫌よ』は、ホントに嫌なんだぞ!!

いっぺん死んでこい、この勘違い野郎!!」

とでも言ってやればいいのに、内省のほうに向かってしまう訳です。

そして、無駄に疲れる。本当に無駄なのに。

 

理性にとらわれすぎず、自分を操縦しすぎず、誰かに怒る。そして嫌われる。

これが、色々な背景を引きずってきた私には難しい。

それで結局、自分で考えすぎて、自分の首を締める。

相談に行った心理カウンセラーにも指摘された、私の問題です。

 

誰かにぶち切れて、誰かに嫌われてもいいはずなんです。

でもまずは、自分が怒っていることを自分で認めてあげるところから

始めなければいけない…という初歩レベル。

 

はあ。まぁ、問題が分かっているだけ、良いんでしょうね。

 

…あのね、MさんとTさん。怒ってますよ! ぷんすか。

 

 

「パレスチナには3種類の外国人がいる。
 エイド・ワーカーか、外交官か、ジャーナリストだ」

 

誰が言ったのか知りませんが、言い得て妙なこの言葉。
私がいま住んでいるシェアハウスが正にそうで、

NGOスタッフの日本人(のんびり系)、
領事館勤めのフランス人(頭脳明晰系)、
新しく来たジャーナリストのスペイン人(活発系)、
の女性3人で共同生活をしています。しかも全員がアラビストです。

 

「ねえ、豚肉買えるお店知ってる?」「ちょっと待って、その話は聞き逃せない」
「第二次インティファーダから今までで3,000人が旧市街を出ていて…」
「それ、いただき! 記事にできそう。ソースはどこ?」
「イスラム国ってパレスチナで受けてるの?」「え、真反対だよ!」
「フランスの和平案、ぶっちゃけどう?」「うーん…そうねぇ…」
「だんなさん、寂しがらないの?」
「それぞれの夫婦に適切な距離があってもいいでしょ?笑 彼氏はどうなの?」

 

恋バナから時事ネタまで話題には事欠かず、日々が面白いです。
いいルームメイトに恵まれました。本当に素敵な人たちなのです。

 

* * *

 

西岸に暮らす学生だった10年前に比べると、
私はずいぶんと「話題を提供できる」人間になったと思います。
以前もドイツ・スペイン・フランス・日本・パレスチナの5人で暮らしていましたが、
こんなに自分から積極的に喋れた記憶がありません。

 

それは別に語学力が伸びたのではなく、
(私はTOEICの点だけは良いものの、未だに英語圏へ留学できていない)
「伝えたいことが増えた」「話したいことが増えた」
ということなんだと思います。

 

誰もが行ける訳ではないガザのこと、
勉強して歩き回って知ったエルサレムのこと、
以前の姿からどんどん変わっていく西岸のこと。
子育て、パートナーのうつ病、そして日本のいま。NGOの視点。

 

伝えたいことが増えました。
そして、彼らから知りたいことも。
垣根が低くなり、言語は案外、障壁ではなくなりました。
好奇心。これさえあれば、私は私を伸ばしていけるように思います。

 

ここで会う日本人学生さんや旅行者さんたちが、
「英語力がまだまだで…」とこぼすのをよく聞きます。
だいじょうぶ。まだまだこれからです。
だから、自分が安心できる、そして少し背伸びできる環境に、
身体と心を晒してあげてください。私も、これからも頑張ります。

 

私は、自分の「次の10年」が楽しみです。
だって、10代の頃よりも20代、
20代の頃よりも30代の今の方が、
伝えたい、やりたいことが増えて、明確になっているから。
年を取るって、悪くない。生きていて楽しいです、皆のおかげで。

2010年のスーダン出張の前、一眼レフを買いました。

友人Sくんに見繕ってもらった、PanasonicのLUMIX

もう6年の付き合いで「ルミすけ」と呼んでいる彼(?)の魅力を、

エルサレムで最近あらたに発見しています。

 

というのも、単焦点のレンズを

やっと!やっと!!!購入したからなのです。

(オススメのレンズを教えてくれたM兄さんと、

日本からはるばる運んでくれた同僚Yに感謝!)

Panasonic G 25mm F1.7 ASPH。

使ってみて、違いにびっくり。

明るい。なんですか、これ。

 

マニュアルモードの選び甲斐があって、

夕暮れや夜景を撮るのが楽しいです。

ISOをいじりまくって調整していたのは何だったのか。

アホだったんだな。

 

(自宅から見える夜景。)

 

もちろんボカすのも楽しいです。

(友人の家のネコ、名前は「ミエコ」…。)

 

 

でもやっぱり、魅力は明るさです。

シャッタースピードを上げても暗くならない。

きみ、こんなに仕事が出来る子だったんだね。

分かってなかったのはレンズ購入に二の足を踏んでいた私だったんだな。

 

特にガザの事業は室内撮影が多いので、

このレンズでどう映るのか、今から楽しみです。

また友人たちに教えを請おう。

機材からレンズから撮影法から何まで聞いてばかりですみませぬ。

引き続き、初心者ナミキをどうぞよろしくお願いします。m(_ _)m

 

(夕暮れ時の、近所のモスク。)

ありそうで無かった!初めて見た!

エルサレムの教会での、パイプオルガン・コンサートに行きました。

 

パイプオルガンといえば、自分のイメージは

バッハの小フーガ・ト短調!くらいの貧相なものだったのですが、

このたびのコンサートでイメージがガラッと変わりました。

31年生きてきて、教会のお祈り以外でパイプオルガンの生音に触れたのは

これが初めてだったのです…。

 

会場は、教会の大きなホール。

多分200人以上はいたんじゃないかと思われる人の列の前方・頭上に、

オルガニストがこちらに背を向けて、パイプオルガンに向かっていました。

 

(畏れ多くもこっそり撮影。ごめんなさい。)

 

シューマンの「ペダルピアノの為のスケッチ作品 58」から参加しましたが、

目を閉じて音を味わっていると、音色が変わるたびに鳥肌が立ちました。

 

その理由は、初めて知った「パイプオルガンの音の豊かさ」!

ピッコロ、フルートが聞こえたかと思えば

オーボエやホルンを思わせる音も聞こえてくるし、

低音のコントラバスはもちろん、

パーン!と音が出る時はトランペットの勢いを連想させます。

 

「あ、パイプオルガンは一人オーケストラなんだな。」

と、一人で勝手に納得していました。

この音の豊かさはyoutubeで聞いていても感じられなくて、

やはり大きな空間で響かせるからこそ生まれるように思います。

 

それにしても、奏者はいったい何を考えながら弾いているのだろう。

彼には指揮者と演奏者たちが一気に憑依しているみたいで、

パイプオルガン弾きはオルガンだけ弾いていてもダメなんだろうなー、

なんてことを考えながら、音楽に聴き入った1時間でした。

奏者のお兄さんは、普段はピアノでオーケストラと共演もしているようです。

 

来週の木曜日もコンサートです。

次回は予習して臨もうっと!

 

 

今回の曲目メモ↓

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TERRA SANCTA ORGAN FESTIVAL

@ Jerusalem, St. Saviour's Church

Nov 3, 2016

Organist: Antonio Di Dedda

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1. Johann Sebastian Bach (1685-1750)

Passacaglia BWV 582

 

2. Robert Schumann (1810-1856)

Skizzen fur den Pedalflugel op.58:

n.1 Nicht schnell und sehr markiert

n.3 Lebhaft ←私は遅れてここから参加

 

3. Robert Schumann (1810 - 1856)

Studien fur den Pedalflugel op.56:

n.2 Mt innigem Ausdruck

n.5 Nicht zu schnell

 

4. Maurice Durufle (1902-1986)

Prelude et Fugue sur le nom d'Alain

 

5. Cesar Franck (1822-1890)

Choral n.3

 

6. Edward Elger (1857-1934)

Imperial March

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もう既に何度か書き散らしましたが、

パレスチナ刺繍にハマっています。

 

 

昨日、我が家に泊まりにきた気の置けない友人と

うだうだ〜っと喋りながら刺繍していたコレは、上下が「石臼」の模様。

先日、日本人の女子大生ちゃんが「これが可愛い!」と言っていたので

縫ってみました。(色は私の好みに変えてしまった。えぇ、地味子です。)

 

茶色い線は「おじいちゃんの歯」や「のこぎり」と呼ばれるデザインで、

真ん中はたくさんの呼び名があります。星とか、月とか。

白い余白が目立つかなぁ…うーん。改善案を募集中です。


 

縫う時は大体、まずはパレスチナ刺繍の本を開いて柄を選び、

いくつかを組み合わせて、一回エクセルに落とします。

 

(これ)

 

地道な作業ですが、これ大事。地図みたいなものだからです。

 

柄自体は本から取っていますが、

色や柄の組み合わせは思いっきり変えています。

 

例えばこの、私が一目惚れした「月」の模様。

 

こうなりました。

 

 

それから、スイカの柄があります。

 

「ひよこ豆とレーズン」「とうもろこしのヒゲ」という柄と組み合わせました。

必殺・台所の食材シリーズです。

 

(赤いのがスイカ、オレンジがとうもろこしのヒゲ、

その下の四角がひよこ豆とレーズン。

結局、製品化の時にはとうもろこしは却下されました。笑)

 

 

でも、こういうアレンジは、最初はおっかなびっくりで。

本に書いてあるままを縫わないと

「パレスチナ刺繍」だなんて言えないんじゃないか、

と何故か思っていました。

 

 

そんな私が、頭の中のそういう制限を取っ払って

刺繍にハマるキッカケになったのは、

中央アジアの文化・歴史漫画「乙嫁語り」第一巻。

 

 

そこに描かれる、日々刺繍する女性たちの営みには

何だか懐かしい家族の温かさがあります。

 

 

そして何より、彼らは自由です。

彼らは基本を押さえながら、自分の柄を創ったり、

個性がにじみ出るような色合わせを縫い取ったりしていたらしいのでした。

 

それを、皆が覚えていて、誇りに思いながら、子孫が受け継いでいくのです。

あぁ、きっと、いま沢山あるパレスチナの刺繍も、

こうやって出来上がっていったんだろうなぁ。

そう、思いました。

 

だから、刺繍は楽しくて、自分らしくて、誇らしいものなのです。

そしてまた誰か、パレスチナの人が、その生活からモチーフを得て

新しい柄を発明するのでしょう。

 

私はパレスチナ人ではないので、柄を創ることはしませんが、

「いいなぁ」と思うものを、私の色や組み合わせで

縫うことはできる。そう思います。

あとのひとたちが誰かしら、「あの色も良かったわぁ」と思ってくれる…

と、いいですね。笑

 

 

エルサレムに単身赴任している私をだんなくんが訪ねてきて、2週間弱。

今日が二人でのラスト・晩酌でした。

 

 

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(フルコース! 念願の日本酒つきです。)

 

 

 

 

お酒を飲みつつ美味しいごはんをいただきながら、聞きました。

最近、気になっていたことです。

 

「ねぇ、きみ、何があったら私と離婚する?」

 

私は「だんなが鬱病で…」と言うと、

たまに「よく離婚しないで頑張ってるね!」と言われたりします。

彼は彼で、私の単身赴任のことを話すと

「そんな自由な奥さんで、大丈夫なの?」と心配されるそうです。

 

うーん、と考えただんなくんは、

「二つのケースがあってね」と答えを教えてくれました。

 

一つは、一緒にいると相手を苦しめてしまうとき。

もう一つは、二人で一緒に生きていくのは難しいと判断したとき。

 

そうだよねぇ。私も、離婚をするならそれが理由になると思います。

 

例えば、我々の間では

「浮気はOK、ただし絶対に相手にバラさず墓まで持っていくこと」

という(多分あんまり類を見ないであろう)ルールがあります。

これも、バレたら後者に抵触するからです。

分かってしまったら最後、きっともう、相手を信用できなくなってしまう。

信用できない人と人生を設計するのは、かなり難しいことだと思います。

 

人間、どうしようもない時はしょうがなくて、

もしかしたら2人では解決できない問題が、いつか出てくるかもしれない。

もしくは、自分に誰かが必要な時、相手はそれどころではないかもしれない。

そんなとき、相手以外の人にでも、救われるならそれで良いように思います。

 

でも相手を大切にしたいなら、最低限、黙っておかなくてはなりません。

そして、黙っておくのは案外つらい。それが、ある種の代価でしょう。

 

前者は、もう彼の鬱病で、私のほうは十分修行を積んだと思っています。笑

回復期の半ばくらいまで来たのだから、あとは野となれ山となれ。

もう底は打ちました。彼がこれだけ動けるようになったのが奇跡です。

 

あとは4年後くらい、娘が小学校に入るまでに、

私と同じくらいの収入を取れるようになってくれればそれでいいです。

4年あります。それだけあれば、結構なことができます。

4年前、彼は部屋に引きこもっていました。

それが、今では海外旅行をしています。次の4年も、きっと悪くない。

 

もしまた彼が底へ落ち込んだら、淵の外で座って、

自分のために日々を過ごしながら待ちます。

私は堕ちない。外から声だけかけるから、自分で這い上がってきてください。

もう一回くらいなら、できると思います。

 

 

明夜から、また離ればなれです。

でもまぁ、大丈夫。後悔しないように、めいっぱい暮らします。

幼児をよろしく頼みますね。あと2ヶ月で、お家に帰ります。