暁のヨナ 第114話 感想
最新話までの内容にふれますので、未読の方はご注意を。

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他話の感想も書いてます。


暗い森の中。
大きな木にもたれて座り込み休憩するヨナとリリ。
砦を無事脱出した様子。
アオが採ってきた木の実をリリに差し出すヨナだが‥。
リリは初めて人を刺したショックから抜け切れていない‥。

「リリが助けてくれなかったら、私はきっと死んでたわ。でも、今は忘れて眠って‥」

泣き疲れて眠ってしまったリリ‥。
ヨナも、丸くなって眠っているアオを撫でながら目を閉じる。

ハク‥みんな‥
心配してるだろうな‥
会いたい‥

命からがら森へ逃げ延びて、大きな木の側で夜を明かす‥。
第1巻でもこんな場面がありました。あの時はハクに手を引かれていたヨナは、今はリリの手を引く立場。
すごい成長ぶりです‥。

☆☆☆
砦の建設現場。
重い布袋を持った奴隷がよろめき、見張りの兵士がムチを振り下ろす。休ませて欲しいと言う奴隷に、痛い思いをしたくなければ働けと言う兵士‥。

その兵士の横っ面に大きな角材がぶち当たり‥

ゴッ   「ぐおふっ」

「すまぬ。ぶつかったか」
「‥貴様‥っ」
「周囲には気をつけるがよい。(奴隷の方を見て)そなた、大丈夫か?その荷、私が持とう」
「えっ‥」
「勝手なことをするな!貴様ここに来て何だその驚きの白さは!」
「問題なかろう。私がこの者の分まで運ぶと言っておるのだ」
「いっ‥言うことを聞けえっ!」
ムチを振り上げる兵士。
別の男が現れその素手でムチを止める。
「なっ‥!」
(こ‥こいつ!目を布で覆っているのにムチを止めた‥⁉︎)

「大丈夫?足が折れてる。これは痛いね。休まないと‥」
「貴様ら何をしている!」
別の兵士が座り込んでいる奴隷とその側に来て声を掛けている少年に怒鳴りつける。
「勝手な行動は厳罰に処す。動けないなら酒を飲め!」
「勝手なのはどっちだよ。強制的に連れて来て、怪しげな酒飲ませて。そういう事はあんたも足が折れて同じ目に遭って、一声も上げなくなってから言いなよ」
「何を生意気な‥ななな‥」
兵士の首元をつかみ、高く持ち上げる大きな男‥。
「おっ‥降ろせえっ」
「ああ、すみませんね。荷物と間違えて持ち上げちまった」
そう言って兵士を地面に叩けつける‥。
「き‥貴様ら奴隷の分際で反抗的な態度を‥っ」
「反抗的?心外ですね。こんなに働いてるのに?」
普通の奴隷の何倍もの荷物を運ぶ男たちにぐうの音も出ない兵士‥。

ハク、キジャ、シンア、ユンは奴隷として潜入しているようです。シンアはもふもふと面を取って目隠し姿です。これはこれで好き‥。

「シンア、どうだ?」
「ヨナ‥ここにはいない」

奴隷たちに聞いてもヨナリリらしき女の子はいないとのこと。ジェハ側にいるのかもしれない。黙って聞いているハク‥。

「ハク、案ずるな。ジェハとゼノなら必ずや姫様をお救いする」
「‥わかってる。あいつらに任せる」
微笑むキジャ。
「‥‥何だよ」
「そなたが動揺しているようなのでな。その時にジェハやゼノを信頼してくれて嬉しいぞ」
「誰が動揺‥」
「雷獣って、動揺すると黙るよね」
とユン。
‥‥黙るハク。

「今日は久々にキジャが雷獣より年上だってこと思い出したよ」
「私のことは兄と呼ぶが良‥」
「うるせー」

言われ放題のハクですが、ふと考える‥。

もしも  これが
姫さんとの二人旅のままで
頼れる奴が誰もいなかったとしたらと思うと
ぞっとする

友を失い   風の部族を離れ
お前らに逢えるとは思わなかった

「白蛇   シンア   ユン」
「ん?」
「‥‥いや、何でもね」
「うむ?」

今お前らがここに居てくれること

感謝する


ハクの心の声、久しぶり?
しかも仲間たちに対する気持ちの描写なんて珍しい!
いつもヨナに対するうじうじばっかりじゃなかったですか?
こんなの今まであった?
あんまり記憶にないです。
なんかほっこりして、嬉しいシーンです。

☆☆☆
転びそうになった若い女性の奴隷を助けるジェハ。兵士たちの目に届きにくい所に連れて来て休ませ、ヨナ達のことを尋ねるが覚えていないと言う。女性は薬入りの酒の影響で記憶力が落ちているようだ。

「いいんだ、無理しないで。近いうちに助けてあげるから、それまで極力あの酒を飲んではだめだ」
「え‥でも」
「いいね?」
女性の唇に指を当てるジェハ‥。
「おーい、緑龍」
ゼノが顔を出す。
「貴重な青春を邪魔して悪いが、ちょっと来い来い」
「せいしゅん‥‥」

どこに行っても女性に優しいジェハと、何でもお見通しの年長者のゼノ‥。

ハク達同様、潜入しているジェハ、ゼノ、アユラ。ゼノとアユラの掴んだ情報によると、ヨナ達はこちらの建設現場に居たらしい。しかし同室の子によると朝になったら二人ともいなくなっていたとのこと。
「リリ様達は反抗的だったから殺されたのではと言う者も‥」
悔しそうに奥歯を噛みしめるアユラを見つめるジェハとゼノ。
「‥緑龍、行けるか?」
「当然」
「えっ?行くとはどちらに?」
「もちろん、ヨナちゃん達を探しにね」
「娘さんは生きてるから、絶対に」
「きっとリリちゃんを連れてどこかに逃げたんだ。あの子がこんな所で大人しく殺されるなんて、あってはならない」
歩き出すジェハ。
「探し出してみせるよ、この脚で。すぐに戻るから待ってて」
「おー」
「ゼノ様」
ジェハを見送りながらアユラは意を決したようにゼノに話し掛ける。
「行ってください。私は機会を見てハク様達に状況を伝えます」
アユラを見つめるゼノ。
「私達のリリ様を、どうかお願いします」
「うし!」
そう言ってゼノはアユラの頭をなぜなぜする‥。え‥?といった様子のアユラ‥。

アユラが兵士の気を引いた隙にジェハが翔び立つ。その瞬間、ジェハの背中に飛びつくゼノ。

「ゼノ君、突然飛び乗らないでくれるかな」
「わりイ、わりイ」
「君が来たらヨナちゃんとリリちゃん抱えて跳べないだろ」
「大丈夫、ゼノ走るから。ゼノの能力も役に立つから。たぶん」
「君の能力は年の功だけで十分だよ」

顔を上げ、二人を見送るアユラ‥。

この時アユラは、空を跳ぶジェハを見てなんとも思わなかったのでしょうか‥?アユラが見た時は二人はもう見えなくなっていたのかな‥。


☆☆☆
国境沿いの町、灯水。

「あー、お茶が美味しい。ありがとうございます。テトラさん」

テトラはのんびりお茶を楽しむスウォンの様子を心配そうに盗み見る。

(陛下はあれから灯水に逗留されたまま‥。
ジュンギ様達と何やらお話し合いされていたけど‥
やはりリリ様奪還は諦められたのかしら
ジュド将軍はずっと不機嫌そうだし‥)

そのジュドが顔を上げて唸る。
「遅い」
「おいおい、どれだけ馬を飛ばして来たと思ってるんだ。地心は隣町じゃねぇんだぞ」

現れたのはスウォンの召集でやって来た地の部族、グンテ将軍だった。驚くテトラ。

ジュンギに状況を尋ねるグンテ。
「まさか君の手を借りる事になるとはね」
「冷静に振る舞っちゃいるが、内心死ぬ程心配してんだろ?あんなか弱い娘がさらわれたんだからよ」
リリを『か弱い』と表現するグンテの言葉に固まるスウォンとジュド‥。

「あ‥あの、恐れながらグンテ様はリリ様を‥」
「おう、これから行って取り戻す」
驚くテトラ。
「リリ様をお助けするにはジュド将軍が納得するだけの戦力が必要でしたから」
「当たり前です。王自ら斉国に乗り込もうというんですよ?」

腕利きの者も数人連れて来ていると言うグンテ。それでも足りないと言うジュド。スウォンはもう一組呼んでいると言うが‥

そこへ現れたのは‥

グンテ「こいつは驚いた」

「風の部族、召集に従い参上致しました」
「よく来てくださいました」

テトラはまたもや目を丸くする。
(あの御方はもしかして、風の部族の英雄、ムンドク様!)

ムンドクは後ろにテウとヘンデを従えている。

「ジュンギの娘が誘拐されたとあってはな、水の部族の麻薬の件も片付けねばなるまい。風の部族も微力ながら手を貸そう」

「これなら問題ありませんよね?ジュド将軍」
「‥‥良いでしょう。しかし陛下は決して先頭に立たれないように。戦闘は我々が‥」
「はい‥」

(という事は、ハク様の部族がリリ様の救出に‥‼︎空と風と地の将軍、英雄ムンドク様、そして国王陛下。おそろしい程の、最強の布陣‥‥‼︎)

(リリ様奪還になんと心強いことか‥)

(でも‥)

(ヨナ様やハク様達は‥‥)




☆☆☆感想☆☆☆

私の予想、ことごとく外れてしまった今回でした。

スウォン、出ないと思ってたんですけどね、出るんですねー。

予想外れてしかし嬉しいです‼︎

つーか、つーか、ムンドクーーーっ!
ページめくって声が出ました‥‥。

前回のスウォン登場も声出ましたけど、ある程度予想してたっていうか、期待してましたからね。待ってましたって感じだっんですが、ムンドク参上は全く想定になかったので、本気で声が出ました。

私の中でいくつかある謎のひとつ、なぜ風の地に行かないのか。火地水はさんざんウロウロしてるのに、風にはほんと行かないですよね。

風を出てきた理由ってなんでしたっけ?風の人達を危険に晒すから?なんかもうそれよくないですか?生き延びているのバレてるし‥。風の地に行く話、すっごい待ってました。

まさかムンドクさんの方から出て来るなんて。しかもテウだけでなくヘンデも伴って。アニメだとシンアと同じ声のヘンデ。大好き。この三人の登場は全く想定外でほんと嬉しいです。

もったいぶった様子でもう一組呼んでるって言うので、キョウガが来るのかなって思いました。テジュンじゃ戦力にならないし。あ、でもテジュンも登場待ってます!

にしても王と四将軍がそろって隣国に出張っちゃって高華国内は大丈夫なんでしょうか‥。ハク達にしても全員で潜入しなくてもヨナ達を探せるんじゃ‥。

たまにこういった、本格的な戦記物のファンの方が見たら色々突っ込まれそうな展開があって、私はこういう所が『暁のヨナ』のいい所だって思ってます。

ハク達の作戦、意外でした。もっとうまい方法、ありそうだけど。しかし危険な場所にいながらこの安心感‥。さすがです。緊迫した展開続きだったので、ホッとしました。

ハクチームとジェハチーム、結局ビンゴだったのはジェハチーム。前回カッコ良く脱出を決意したヨナですが、もうちょっと待っていれば良かったって事ですよね。惜しいすれ違いです。

そのジェハチーム、いつもセリフの少ないアユラ‥。今回もあっさりジェハ達と別行動になっちゃって、また見せ場が少ない予感‥。ジェハが跳んで行く場面も見ていなかったのか無反応でした。てことは砦まで行くのも徒歩だったんでしょうか?それとも早々に敵に捕まり(ふりだけど)馬車で移動だったのかな。

今後の展開ですが、ヨナリリは順当にジェハ達と合流かな。ウロウロし過ぎてハク達側に辿り着いちゃう可能性もあるかな。

最も気になるのはスウォン側です。前回のスウォンの『提案』とは?最強布陣を敷くことだけ‥じゃないですよね、きっと。あのメンツで奴隷潜入もないだろうし。全員で敵陣乗り込んだら先方は戦仕掛けられたと捉えそうだけど‥。

『ヨナ』の世界でも戦仕掛けるときは、前回もそうだったけど一応お手紙とか送って『仁義を切る』カタチをとるようですからね。そもそも今回はまだ敵の親玉的な人物は登場してません。なしで行くのか次回あたり出てくるのか、それは斉の国王とかなのか、もっと下の人物なのか‥。

ずーっと言ってるように、ヨナ側の誰かと鉢合わせするのかっていうのも、すっごい楽しみです‥。ムンドクさん達が来たことで、ムンドクとハクが会えるのかっていうのも、楽しみ!

そしてそろそろ戦闘シーンも見たい!

次回、11月20日発売!期待してます!


☆今回のナダイ問題の前談14巻~16巻のあらすじと感想も書いてます。良かったら読んでみてくださいね。