暁のヨナ 第115話 感想

今回も大きく話が動きました。

『暁のヨナ』のファンの方は是非本屋さんに走り、『花とゆめ』24号を購入しましょう!

以下は最新話の内容に触れますのでご注意‼︎

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他話の感想も書いてます。


スウォン側の作戦会議。
スウォンが斉国の現状について語ります。

斉国には現在3人の王がいるとのこと。
ホツマ、クシビ、カザクモ。
王座に就いているのはカザクモだが力が無く、実権を握るのは母クヴァ、叔父のホツマとクシビ。
しかし2ヶ月前にクヴァが亡くなったらしい。

民衆から絶大な支持を誇っていたクヴァ。
軍事力を持つホツマ。
経済力を有するクシビ。
三者の利害が一致し協力体制にあったが、クヴァがいなくなり、ホツマとクシビが王座を狙い始めた‥。

ホツマとクシビは競うように砦を造り、高華国への侵入を目論んでいるらしい。

ナダイの件で弱りきっている水の部族を制圧し、それぞれの名を民に知らしめようとしている。

「ナメられたもんだ」
「その通りです。テウ将軍」

不機嫌そうなテウ。
スウォンは構わず続けます。

ホツマとクシビの権力そのものである砦は近いうちに取り除く予定だった。それを崩せば双方にかなりの損害を与えることができると。

しかしまずはリリの救出が先だと言うグンテ。同意見のスウォン。

スウォンは風と地の部族が派手に暴れて兵の注意を引きつけて欲しいと言います。

同意するムンドクとグンテ。

このような強攻な手段を取るのは、リリがナダイを飲まされているかもしれないということと、中枢が動く前に片をつけたいからと言うスウォン。

「あんたは行かねーのかよ。自分の娘だろ?」
「私は目を患っていてね。支援にまわらせてもらうよ」

ジュンギに対していまいち温度が掴めないと言うテウ。これでもリリをとても心配しているし、駆けつけてくれた皆に恐縮しているのだとフォローするスウォン。

駆けつけたのはジュンギの為だけでなく、リリが将来スウォンの妃になる方だと言うグンテ。取り戻した勢いで式でも挙げたらどうかと‥。

グンテ「陛下も隅に置けませんな。リリとそんなに親密になっていたとは」
スウォン「何の話です?グンテ将軍」
テトラ「何の話ですの⁉︎」
ジュンギ「はしたないよ。テトラ」

慌てるスウォン。寝耳に水の話で期待満面で話に入ってくるテトラ。

自分たちを招集する程の事態という事は、よほどリリに惚れているのだろうと思っていたと言うグンテ。

ムンドクもちょっと思っていたらしい‥。

誤解だと断言するスウォンですが‥。

スウォンたちは明朝、ホツマの砦から行動を開始することになりました。

こんな緊迫した場面でこんな話を放り込むグンテ。この空気読めなさぶりはさすが。

テトラもヨナたちのことを気にしてたはずなのに、リリが妃に‥なんて話を聞くと手のひらクルーです‥。






☆☆☆
ハクたちのいる砦の夜。
キジャたちの仕事量だと、破壊するはずの砦が完成間近だと言うユン。ならば今から少しずつ崩そうと言うキジャとシンアをユンは目立つからと止めます。

ハクがシンアにジェハから合図はないかと尋ねます。ふるふると首を振るシンア。

「‥見えたら、すぐに知らせる。ハクに」

軽くシンアの肩を叩き立ち去るハクを見送るシンア、ユン、キジャ。

「ありがとう、だって」とユン。

仲間たちから少し離れ、壁際に座り込むハク。

(やべェな‥シンアにまで気を遣われている‥)

ハクはヨナからもらった青金石を手にとり見つめます。

『ハクに幸運が訪れるように』

そう言って渡された青金石‥。

「俺の事より姫さんを守ってくれよ」

石を握り締めるハクですが、壁の向こうに人の気配がすることに気付きます。

(この壁の向こうは高華国‥。高華国から誘拐された奴隷の親族か‥?)

「‥おい。そこにいるのは誰だ?」

ハクは壁に手に当て壁の向こうにいる人物に尋ねます。

「俺は高華国の人間だ。ここに見張りはいない。そこで何をしている?」

反応がない‥。

(聞こえてねぇのか‥答えたくねぇのか‥)

「あの‥」

立ち去ろうとするハクに壁の向こうから声が掛かります。

「高華国‥の方ですか?」

この‥声‥

ドクン    心臓の音が高鳴るハク。

「夜分に‥この様な所からすみません」

この声は‥‥‼︎

「少し‥いいですか?」

どうして  こんな所に

どうして今

どうして‼︎

お前が

ここにいる⁉︎

スウォン‥‼︎

壁際に立ちすくむハク。
ドクン ドクンと心臓の音だけが響く。

「‥‥あのー‥‥もしもし?居ますか?」

「‥‥」

「えっとですね、そちらに連れて来られた人の中に、長い黒髪のリリという17歳の女性を見かけませんでしたか?」

ハクは後ろ手に壁を掴み、立てた爪が擦れ、ガリと音がします。

「‥‥いません‥か?」

更に力を入れたハクの指から血がにじみます。

「‥あなたしかいないので、あなたにお伝えします」

壁の反対側の人物も、壁に手に当て言葉つなぎます。

「私たちは早朝、ここから砦を壊し、そちらに侵入します」

その内容に少し話を聞く気になった様子のハク。

「その時‥そちらに囚えられた人に被害がないよう避難させておいて頂きたい」

「‥‥」

「あなたが手を貸してくださったら、怪我人を出さず、速やかに人々を助け出すことができます」

爪から血がにじむハクの手‥

「‥お願い‥」

高華国がわの壁に当てられたスウォンの手‥

「‥出来ますか‥?」

うつむくハク。

返答を待つスウォン。

「‥‥暁に‥合図する」

「‥‥ありがとう‥‥ございます」



☆☆☆
姿が見えないハクを探していた様子のユンに、ハクは夜明けに砦を破壊すると告げます。いよいよかと張り切るキジャですが、ハクの様子に違和感を覚えます。

「‥何が  あった?」
「‥別に  なんもねぇよ」

立ち去るハク。キジャはハクの背に向かって言います。

「ハク、私が必要になったら呼べ」

ひとりになったハクは血のにじむ手で顔を覆います‥。



☆☆☆
夜が明け、キジャは巨大な岩を運んでいます。シンアは取り上げられた武器を探しに行っています。奴隷たちの誘導をユンに指示するハク。

「砦の向こうにリリを奪還しに来た奴らがいる」

「えっ、誰?あっ、水の部族長?」

「‥かもな」

壁を見上げるハク。

壁の向こうに   あいつがいる
ここをぶち破ったら
あいつが‥‥

『大丈夫。私は大丈夫だから』

ヨナの言葉を思い出すハク‥。

壁の反対側ではグンテがスウォンに準備が整ったことを告げます。合図が来るまで待てと言うスウォン。

ハクたちの動きに見張りの兵たちが気付き始めます。それに構わずキジャは運んできた大岩を投石機にのせます。大岩は勢い良く飛んで行き、壁にぶち当たり、爆音と瓦礫が壁の反対側にも降り掛かります。

皆と一緒に一瞬驚いたスウォンでしたが、小さく呟きます。

「派手な合図だなぁ。ハク」







☆☆☆
今回すごい展開でびっくりしました。

またもや期待を大きく裏切られました。
私は気持ちを落ち着かせるのにしばらく部屋をウロウロしてしまいました。

まずは不透明だった斉国の様子が明かされて良かったです。斉国の内情もかなり不安定のよう。斉国の情報が入って来ているという事は高華国のことも向こうに知れているのでしょうか。

王が殺され、若い新王が立ったと言う情報は、隣国に対してはかなり不利な情報では‥。水の部族のことしか触れられていませんが、こっちの方がおおごとですよね。

そして、途中でも思わずツッコミ入れちゃいましたが、スウォンとリリの結婚話とかぶっ込んじゃうグンテ。さすが!五部族会議後の話は生きていたんですねー。

スウォンとリリの結婚‥。平和な世ならそれもいいかも。知らぬ仲ではないし。ヨナはすっかりハクのものだし。

そしてそしてまさかのハクvs.スウォン!ハク側と、スウォン側がどんな組み合わせで対峙するのか大期待でしたが、一番の夢カードが一番最初だとは‥。

ヨナたちを助けるため、一時休戦して共闘‥なんて展開は期待こそすれど、さすがにないかなーと思っていました。これはそういう展開ってことですよねー!

分厚い壁ごしにお互いの気配を感じるハクとスウォン。砦はこの場面のための大仕掛けだったんですね。それにしても、なにこの切ない二人‥。

ここでも手だけの描写‥。指先から血が出ちゃうくらい壁をガリガリやっちゃうハク。祈るようにそっと手を当て、壁の向こう側に感じる気配に語りかけるスウォン。

しかし意外な人物の存在に気付き、瞬時に協力要請するスウォンの素早い判断力は相変わらずですね。

砦が破壊された後、この二人はいったいどうなるのでしょう‥。

ハクは大事な人(ヨナ)からすべてを奪ったスウォンが憎いんだけど、心の底から憎み切れない‥。そんな自分も許せない。またそんなことをするに至った友の心に寄り添えなかった、何も気付いてやれなかったことを悔いている‥。竜水にしても今回の壁ガリにしても、スウォンへ‥もあるでしょうが己への怒りも強いんじゃないかな‥なんて思います。




さて今後の展開予想ですが‥。

戦闘が開始された砦はおそらくあっと言う間に制圧するでしょうね。グンテらはスウォンから大暴れするようにとオーダーが出てますし、ハクたちは頼まれなくても大暴れするでしょう。

ひとつ気になってるんだけど、スウォンはなぜこっちの砦だけに戦力を集中したのかな?ハクたちですら二手に分かれたのに。何か計画があるのかな?

そしてスウォン側の目的であるリリがこの砦にいないことを誰かが伝えなきゃなりません。誰が言うのかなー。今回ジェハ兄貴の代わりに年長っぷりを発揮しているキジャでしょうか。更にヨナも一緒につかまっている事は伝えるのでしょうか‥。

壁が壊されて、ハクはどうなるんでしょう。ハクとスウォンが視線を交わすシーン、これは絶対あるでしょう!きっとまた切ないはず‥。

キジャたちは竜水でのハクの大立ち回りを見ています。キジャは次は止めないなんて言ってました。ストッパーになりそうなジェハとゼノが別行動なのも何か意味があるのかな。

しかし両チームがろくに会話を交わさないという可能性もあります。リリがいないことだけ簡単に告げ、闘いの最中ハクチームは消えてしまう‥とか。

砦は壊したし、奴隷たちはスウォンたちが何とかするだろうし、ハクはその場に留まる理由はありません。ヨナたちを救うためさっさと移動しちゃうかも。あり得るけど、それだったらつまんないな。

せっかくムンドクさんが出張ってきてるんだから、そこの会話も見たいですね。

そして登場のなかったヨナリリとジェハゼノ。ハクの方はハクvs.スウォンの大イベントが発生しているので、ヨナ側はすんなり合流してほしいな‥。



私はそろそろ大きな転換期を期待しています。ここしばらく、ヨナたちの世直し行脚、その行く先々でスウォンの影が、ちらちら‥みたいな位置関係で安定しています。

この安定の距離感をどーんとひっくり返してくれないかなーって思うんだけど‥。

ジェハ、ゼノあたりがスウォン側に付くっていうのどうかな。今回のチーム割りで、それをちょっと期待してたのだけど。だとしたらやっぱ不思議ちゃんのゼノ?

ゼノにはまだまだ課題が山積してるんだけど、一番のスウォン容認派に感じます。ヨナを裏切るわけじゃなくて、なんか目的があって‥みたいにしてスウォン側に行くとか。

ヨナたちって仲良し過ぎますからね、そろそろぐるぐる掻き回して欲しいなーなんて。



次回は12月4日発売!




☆今回のナダイ問題の前談14巻~16巻のあらすじと感想も書いてます。良かったら読んでみてくださいね。