熱闘!後楽園 -77ページ目

Best of super jr. ⅩⅧ by megane1964



熱闘!後楽園-megane1964
 9時少し前に興行が終わり、「結構早く帰れそう」と思ってホールの玄関に出たら、これが大きな間違い。ちょうどドームの巨人戦が終わったところらしく、大量の観客が水道橋駅へと向かっている。げっ。あわてて入った駅近くのルノアールで、今、これを書いているわけです。


 後楽園ホールで行われるプロレスを全部見て、全部書いちゃおうという、ほとんど思いつきで始めたブログだけど、まあ、準備段階から2か月、いろんな団体の興行を見ているうちに、分かったことがいくつかある。いくつかのうちのいくつかは、また、ここで書くとして、今日はその中のひとつを。……どの団体もジュニアにはいい選手がいますねえ。


 ほぼ全員がジュニアのドラゲーは当然としても、ノアにはKENTAや鈴木鼓太郎がいるし、全日本にはカズがいる。ゼロワンには日高がいるし、大日本だって、石川や河上はジュニアでも試合できるはず。みちのくやKAIENNTAIはいわずもがなでしょう。


 で、その層の厚いジュニアの中でも、別格の大会がこの新日本の「SUPER Jr.」だとおもうのですよ。まあ、70年代後半にプロレスを見始めたワタクシなんかからすると、新日本ジュニア=初代タイガーvsダイナマイト・キッドなんて刷りこみができてしまったわけなんだけど、その後も、ライガーさんとか金本さんとか、新日本ジュニアにはいい選手が次々と生まれてきているわけで、そこにサスケが絡んだ「SUPER Jr.CUP」なんかは、本当に今考えてみるとハイレベルな大会だったわけですねえ。それが発展してこのシリーズになっているわけだから、一味違う歴史と伝統がある。もひとつ考えてみれば、藤波さんや長州さんも最初はジュニアでスタートだったんだから、そういう厚みや深みも当然なのかもしれません。


 本日は、その「SUPER Jr.」の今年の開幕戦です。いやあ、メンバーを見ただけでも豪華ですねえ。http://www.njpw.co.jp/news/detail.php?nid=5695 Aブロックにいるのが、プリンス・デヴィット、金本浩二、ケニー・オメガ――、Bブロックがライガー、田口、飯伏幸太――。ノア、全日本、ドラゲーの“メジャー勢”を除く、ジュニア戦線の一線級がズラリ並びます。9試合、というなかなか詰め込み気味なプログラムだったのですが、はずれがほとんどない、面白い興行でしたよ。


 全部はとても書ききれません。特にワタクシ的にハートに響いたのは、第六試合の金本浩二vsフジタjr.ハヤト戦です。


 先に入場した「みちのくのナマイキ小僧」(失礼!)ハヤトがリング上で気合を入れている中で、金本アニキが登場。おっと、リングインする前から、にらみ合っているぞ。ハヤト24歳。アニキ44歳。20歳も違う若手と本気でガンを飛ばしあう金本さん、年甲斐がなくて素敵です。


 二人とも蹴りと締め技が得意という、似た者同士。序盤からバチバチです。まずはハヤトが金本を西側のニュートラルコーナーにくぎ付けにして顔面ウォッシュ。こんなことをされて黙っているアニキではありません。東西のニュートラルコーナーでハヤトに顔面ウォッシュ。二倍返しってヤツですね。その後はひたすら蹴り合い、張り合い、肘の入れ合い。グーパンチまで飛び出します。隙を見て、アニキがアンクルホールドを決めにかかれば、お返しに、とハヤトはKID。リングの中で額と額をぶつけあって、挑発しあう姿は「新旧けんか屋」の真骨頂。


 バックドロップからアンクルホールドに持ち込んだアニキが、年の功を見せたか、と思ったのですが、一瞬のがれたハヤトがDDTからKID。これがリング中央でものの見事に入ってしまいます。ギブアップでなく、レフェリーストップになったのは、「死んでも負けられるか」というアニキの意地でしょう。オジサンの負ける姿は、ちょっと悲しかったですけどね。


 第三試合、獣神サンダ―ライガーvsマスカラ・ドラダ戦も短かい試合だったけど面白かった。

 ドラダはさすがCMLLのマスクマン。いきなりライガーを西側の場外にたたきだして、トペからトペ・コンヒーロ。ライガーもドラダを場外に追いやってプランチャーで対抗しますが、ドラダは今度は東側場外へとライガーをおいやって、再び華麗にプランチャーからムーンサルト。モロにくらったライガーは20カウント内にリングに帰れず、無念の敗北。若手二人に「捕まった宇宙人状態」で控室まで運ばれる、という屈辱を受けてしまったのでした。


 この2試合がセミでもメーンでもないんですからねえ……。セミは飯伏対田口。ゴールデン☆ラヴァーズvsアポロ55で何度も戦ってますから、お互いのことは百も承知。これもいい試合でした。シューティング・スターとか場外への(本当に美しい)ムーンサルトとか、高い運動神経を生かした飛び技を次々に披露する飯伏と、それをきっちり受けてブレーンバスター三連発など、プロレス技で対抗する田口。最後は「どどん」(厳密にいえば、新技で「ミラノ作・どどんスズスロウン」、引退したミラノ・コレクションATが作ったそうですけどね)でたたきつけ、3カウントを奪いました。メーンはプリンス・デヴィットvsデビッド・リチャーズ。相変わらず切れ味抜群の空中技を繰り出すデヴィットに、筋肉ムキムキリチャーズが力で対抗。雪崩式ブレーンバスターからブレーンバスターを決め、さらにハイキックからパワーボム。こちらも見事に3カウントを奪ったのです。


 使い古された表現なんですが、ホント、どれがメーンでもいい試合が並んでましたよ。あ、そうそう。第五試合だけがジュニアじゃなく、井上亘、永田、天山組vs高橋裕二郎、内藤、田中将斗組の6人タッグ。「楽しい試合」になるのか、と思いきや、裕二郎と将斗が内藤をハブにして、結局、内藤がボコられてタンカで退場。ユニット抗争の一環なんでしょうねえ。マイクもありましたが、そういうアングルにワタクシは、あまり興味がない。


 残りの試合は、ケニー・オメガvsTAICHI、グレート・サスケvsTAKAみちのく、タイガーマスクvsTJP。本来なら、みちのくレジェンド同士の試合も詳しく書きたいんですが、泣く泣く割愛。あ、KUSHIDAvs佐々木大輔を忘れてた。


 欲を言えば、ラインアップに、パワー系がひとりぐらいいてくれると、同じジュニアでも色変りがあって面白いんですけどねえ。ドラゲーの鷹木なんていいとおもうんですよねえ。大日の石川もいいかもしれませんねえ。後楽園ホール満員、本当に盛り上がった二時間ちょいでした。


 そろそろ、駅も人が少なくなったでしょうから、帰りましょ。結果はこちらで。http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/other/live/2011/2011052603/index.html

プロレスリングノア by キャットウーマン

プロレスリングノア The Weekday Navig. 2011 in Korakuen

2度目の後楽園ホール、ノアの試合を観るのは初めてです。
早めに到着したので周辺をぶらつくと、一角におじさんばかりの異様な人だかり。吊り下げられた4台のモニターで競馬の結果を新聞片手に見ているのでした。側のフードコートでドリンクでも買おうかと入るとそこも新聞持ったおじさんでいっぱい。650円の生ビールをはじめ、日本酒・焼酎などと焼き鳥モツ煮枝豆、酒とつまみしか売ってないディープなコーナーでした。

後楽園ホールの当日券売り場ブースは5~6人並んでは居なくなり、さしたる混雑ではありません。チケット有るかなーなんて心配しつつ駆けつけて購入→入場の流れを、そのうち体験したいと思います。

入場時にウェットティッシュを貰いました。「ザ・リーヴ」と書いてあるピンクのポケットサイズ。故三沢選手がCMに出演していた会社のノベルティ、CMは三沢編のほか丸藤選手編や田上社長編もあるらしく、プロレスラーには良く知られた不動産会社だそうです。三沢選手亡き後も、ファンだった社長の一声でCMオンエアが継続され、ちょっと話題になった模様。その後もずっとノアを応援、というかタイアップしていたのですね。
通路に会議机を並べただけのグッズ販売スペースで森嶋選手のサイン会が割合ひっそりと行なわれていました。照明が当たっているでも無く呼び込みも無しの地味なサイン会だけど、ニコニコと握手に応じる森嶋選手は犬っぽい笑顔が可愛らしい。大きい選手を出している人選も間違っていません。

ノアという団体の不思議なプロデュース感覚、スターのはずの小川選手が早くも第二試合に登場しますが、第一試合のせっかく健介オフィスの元気な若手を使いながら覇気のないオープニングに続いて、佐野・ヨネ・リッキーの布陣でこれではもったいない。ジュニア出身組がゴング前に仕掛けるも奇襲という程の奇襲でもなく、平凡なペースでさほどの展開も無いままあっけなく終わってしまいました。もうちょっと落ち着いてみられるシーンに小川選手を使えば良いのに…。

第四試合の秋山選手、しばらく見ない間にめっきり禿げてしまいましたねー。それはともかく、何故ジュニアの中でも小粒に見える相手を対戦させるのかが不思議です。秋山選手もやり難かったのでは。第二試合より更にあっけなく、あっという間の3分余で終了。第二が4人で8分ちょい、第四は2人で3分半、1人約2分の持ち時間? きちんと割り振り出来てるお仕事ですね。せっかくの垂直落下式フレンバスターも相手が小さすぎて見栄えが今ひとつ。脱ぐタイミングを逸したTシャツを試合後にやっと脱いで客席へ投げた、慌ただしい試合でした。

次に出場の杉浦選手のトランクスのデザイン、黒無地の左側面には縦に、右脚裾部分には横稲妻形に、黄・オレンジ色のプリント柄がパッチワークしてあります。ブロンドの髪にコーディネイトしているのかとどうでも良い事が頭をよぎります。冗長な場外乱闘、「待てー」しか無い井上選手、わたしにはあまり面白味の無い怠い試合でしたが、盛んなコールがありファンが多いのかもしれません。フィニッシュのアンクルホールドで、ずいぶん見ていない金本浩二選手を思い出しました。

高山選手の前試合での動きがあまり良く無かったと聞いていたので心配しましたが、この日は普通に動いているように見え一安心。元々とても贔屓という程ではないのですが、近隣にお住まいらしく自宅付近の道で時々見かけるので何となく親近感を抱いています。5/5のブシロードに続いて高山選手を間近に見られただけで嬉しい気分。10年近く前にラッシャー木村さんが近所の行きつけの焼き鳥屋に良く息子さんと見えていました。普段の生活環境で大きなレスラーと会うのはちょっと感動します。

セミファイナルはチョップやラリアットの連発と、潮崎選手のダメージを負った右腕を執拗に痛めつける齋藤選手がプロレスらしい試合でした。試合後は杉浦選手や森嶋選手も登場してのマイクパフォーマンスですが、皆さんあまり上手ではありません。
ファイナルは4人のジュニア選手が動き続ける28分。器用で身体能力に優れた彼らが休み無く飛んだり跳ねたりして繰り広げるスピーディな展開。場内も拍手や踏みならす足音、「おーっ」というどよめきに包まれ、前半の試合とは違う盛り上がりで、動ける選手たちは無条件に楽しい気分にさせてくれます。大きい事はそれだけでプロレスラーの醍醐味ですが、やっぱりジュニアも良い。玩具箱をひっくり返したような試合を一つは観て帰りたいと皆思うのでしょう。

わたしがこの日いちばん楽しめたのは第三試合の6メンズタッグです。なんと言っても巨大な二人、森嶋・吉江両選手の圧倒的な存在感に、これぞプロレスの健介選手は相変わらずエネルギッシュで手抜き無し。これ、王道でしょ。もうちょっと観たいと思った試合でした。田上社長の喉輪も出たし、良かった良かった。

どうでも良い事なのですが…
パンフレットも不可解なのは、最初のページが白紙になっており、対戦カードがスタンプで捺してあるのです。「本日のカード」のタイトルから選手名、試合形式と制限時間など、全部がハンコ。選手名スタンプは、会社の給与台帳なんかに使うようなヤツです。数えたら全部で45個のハンコが捺されていました。1,000部程度は用意するとして、手作業の時間と人件費を考えれば印刷した別紙を挟み込みの方がずっと楽で安いし速い。普通ならそうすると思います。
やっぱりノアは不思議な団体です。

試合展開などの詳報は下記をご参照ください。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/other/live/2011/2011052502/index.html

【プロレスリングノア The Weekday Navig. 2011 in Korakuen】
2011年5月25日(水)19:00試合開始 1800人

■第1試合 シングルマッチ 15分1本勝負
平柳玄藩 × vs 宮原健斗(健介オフィス)○
8分34秒 ジャーマンスープレックスホールド

■第2試合 タッグマッチ 30分1本勝負
佐野巧真、モハメド・ヨネ ○ vs 小川良成、リッキー・マルビン ×
8分20秒 キン肉バスター → エビ固め

■第3試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負
森嶋猛 ○、吉江豊(フリー)田上明 vs 佐々木健介、中嶋勝彦、起田高志 ×(以上 健介オフィス)
14分12秒 バックドロップ → 片エビ固め

■第4試合 シングルマッチ 30分1本勝負
秋山準 ○ vs 石森太二 ×
3分23秒 スターネスダストα → 体固め

■第5試合 シングルマッチ 30分1本勝負
杉浦貴 ○ vs 井上雅央 ×
12分13秒 アンクルホールド

■第6試合 シングルマッチ 30分1本勝負
高山善廣(高山堂)○ vs 谷口周平 ×
13分9秒 エベレストジャーマンスープレックスホールド

■第7試合 シングルマッチ 30分1本勝負
齋藤彰俊 × vs 潮崎豪 ○
18分44秒 変形肩固め

■第8試合 第14代GHCジュニア・ヘビー級タッグ選手権王者決定戦 時間無制限1本勝負
鈴木鼓太郎、青木篤志 × vs 金丸義信 ○、KENTA
28分13秒 タッチアウト → 片エビ固め
(金丸・KENTA組が第14代選手権者となる)

5.23 ZERO1「レスラーズ」 by チャン・マメルトン

うーん、もったいない…。これがZERO1を観戦した後の感想である。しかも、今回ばかりではなく、毎回だ。

ZERO1新シリーズ「レスラーズ」。南側階段席を全部潰したハーフサイズでほぼ満席。黒い布で覆い照明を消した南側客席に閑散とした感じはない。むしろ客が密集するせいか、リング上の闘いへ意識が集中するようだ。会場使用料も確か6割程度になるので団体にとっても良い。が、やはりフルサイズを満員にできない状況は、何とかしないといけないだろう。かの闘魂三銃士・橋本真也が立ち上げ、一時は準メジャーと称され、また約10年ぶりとは言え先に両国国技館を開催した団体ならば。

都合により第一試合は観られず。第二試合から観戦する。今大会、カードを見るとテーマは「若手の底上げ」のようだ。どの試合にも団体が期待する若手を組み入れ、彼らよりキャリアも経験も上の選手と対戦させることで、さらなる成長を促している。当然、団体とすれば試合が“できる”選手が増えれば、選手層も厚みを増し、試合のバリエーションも増える。何より新たな魅力を持った選手が台頭すれば、ファンに、業界に、そして世間に強気に打って出ることが出来る。プロレスが厳しい時期に入って以降、これはZERO1に限らずどの団体にとっても喫緊の課題だが、見る限りZERO1は、実は若手不足でも選手不足でもない。

まず、どの選手もきちんと体を作っている。どインディー団体の中には、プロレスラーを名乗るには恥ずかしいくらい、見ている者が「これで技を受けられるのか?」と心配になるような体つきのレスラーがいるが、ZERO1には1人もいない。しかも、武藤全日本のような均整がとれた逆三角形型ボディビルダーのような体ではなく、腹筋もちゃんとついた太い、いわゆるレスラーの体型をした選手ばかりだ。またグラウンド、ロープワークなど、レスリングの基本的な動きも体得している。若手に限らず、あとは生かし方次第なんだが。まぁ、それは試合の中で確認していこう。


第二試合、大谷晋二郎・横山佳和vs崔領二・佐藤耕平。団体社長の大谷と組んで、エースと目される崔・耕平の二人と対戦とは、横山に対する団体の期待の高さが伺える。試合だが、崔、耕平の強烈なキックを真正面から何発も食らい、ピンチになってもパートナー・大谷が助けに入ることも少なく、まさに「かわいがり」と言えたが、横山は随分と頑張っていたように思う。ただ、いかんせん技がない。出した技はスピアー、エルボー、張り手くらい。これでは「よく頑張りました」という評価しか得られない。キャリアから考えれば崔や耕平に勝つことはほぼ無理だろうが、せめて相手を追い詰めるまでいかなくても、一瞬でも怯ませるくらいの技が欲しい。客が見ているのは、よく頑張りましたをちょっとでも、一瞬でも超えてくれる良い意味での裏切りである。その点で横山に関しては、まぁそうだろうなぁという程度の印象だったが、一方でまたしても良くない意味で裏切られた感があるのは崔と耕平だ。

ZERO1という団体をもったいないと思えてしまう大きな理由の一つが彼らにある。全団体を見回しても、彼らの素材は良い方だと言える。体があって、キックも重く、相手の技も受けられる。でも、なぜもう少し客の想像を超えるような試合が出来ないのか? 納得させられる技を持っていないのか?

彼らと同じくらいのキャリアを持つ、大日本プロレスの関本大介を例に比較すればわかり易い。この1年以上、関本はホームの大日本に加え、ZERO1、DDT、全日本と各団体に出場し、どの団体でもベルトを獲るなどメイン級の活躍をしている。去年の東スポ選定プロレス大賞はノアの杉浦貴だったが、megane1964さんなどは関本だと声高に言い続けている。関本が活躍する、言い方を代えればどの団体でも関本に任せられるのは、彼がどの団体のお客をも納得させられるからだ。文句のない体、エグイ攻撃、チョップ一発でどよめかせられる破壊力、そしてぶっこ抜きジャーマンの圧倒的な説得力。誰もが知っているのに、何度見ても驚かされるというのは、やはり良いレスラーなのである。我々が崔や耕平に期待するのは、このレベルである。

ところが見た限り、この期待に応える試合にお目にかかったことがない。にもかかわらず団体の象徴であるベルトを巻かせ、トップ争いに加わらせている。これはマッチメーカーの失策だと言いたい。関本が何故あれだけの試合をするのか? 推測の域を出ないが、ホームの大日本では関本がどんなに素晴らしいファイトでお客を魅了したとしても、ほぼ例外なくメインにはデスマッチが組まれる。だとすれば、さらに凄い試合をしてお客を持っていこうというモチベーションがあっても不思議ではない。実際、この1年間のストロングBJの充実振りは目覚しい。一方で崔や耕平にはこのような団体内の競争がない。この差が彼ら二人の伸び悩みとなり、ついてはZERO1活性化に繋がっていかない理由だと思っている。

この日、他にもZERO1らしい極めてチープなアングルで試合が作られていたが、たとえそれがZERO1の売りのひとつとは言え、圧倒的な存在感を持つレスラーと試合内容があれば、そんな子供じみたアングルでストーリーを展開する必要はなくなるし、客の支持もより得られるはずだ。「破壊なくして創造なし」とは創設者の橋本真也が旗揚げ戦で叫んだ言葉だが、さしずめ今なら「崔と耕平の破壊なくして、ZERO1の創造なし」。マッチメーカーと大谷社長の決断に期待したい。でも、いつになったら覚醒するのだろうかなぁ?


あぁ、結局全試合のレポートをするつもりが、崔と耕平、さらにはZERO1に対して日頃思っていたことを書いただけで終わってしまった。まぁ休憩前の橋本大地は良く頑張っているし(でも大地に背負わせすぎ)、その後の試合はことさら書くこともあまりないし…。

でも、ZERO1ってキライになれないんだよなぁ。万馬券のように「いつかは当たるんじゃないか」というわずかの期待で、また次回も観に行くんだろうなぁ。



他の試合は一緒に観戦した新メンバー・鈴々舎馬るこさんのブログで。
http://reireisyamaruko.blog.players.tv/article/45447863.html


試合結果はこちら。ZERO1のホームページで
http://zero1-cardresult.blog.players.tv/article/45144368.html