まるおの雑記帳  - 加藤薫(日本語・日本文化論)のブログ - -24ページ目

文科省との対話(0)

先週の月曜日、文科省に対して、

①不法な強制入会のケース(仙台市八木山小学校)

②卒業式における生徒差別の懸念のケース(奈良市平城東中学校)

について問い合わせた。

応対してくれた担当者は、それぞれの市P協に対して「不適切である」という私の意見を伝えることと、文科省としてどうするのか(対応の可否を含め)上司と相談することを約束してくれた。
時間は一週間あればいいとのことだったので、明日(夕刻)、その結果を問い合わせようと思っている。
まずは担当者の返答を聞いてみないことには「始まらない」わけですが^_^;、前エントリとダブるところもあるが、頭の整理のためにも、こちらからさらに聞いてみたいことや、前回の主張に補足したい点等をメモ的にまとめておく。
以前にも増して記憶力や頭の回転が落ちてしまい、ぶっつけ本番が効かなくなって来たのです(/_;)


<①不法な強制入会のケース>に関連して
追加して聞きたい点
【質問1】八木山小学校のケースは学校のホームページの一部に出ていることから言っても学校の責任も重大だと思われるが、同じように学校の責任が問われるケースとして、入会の意思確認を十分にしないままでの、学校長による給食費等との抱き合わせ徴収がある。この点については、すでに3年前に問い合わせをして、「確かに、問題はある」との反応を得ているが、その後何か対応をしてくれたのか、またそのような学校の行為について現時点でどう考えているか。(そのとき応対してくれたのも、確か生涯学習推進課。この問題は、生涯学習推進課の管轄外かもしれないが…。)

【質問2】3年前に上の問題を問い合わせた時、「日Pで「入会の適切化」についての話し合いが行われることになっている」と聞いた。その後の情報を知りたい。


<②卒業式における生徒差別の懸念のケース>
【前回の主張の補足】
これは、前エントリに青字で引用させてもらった朝顔さんの指摘をそのまま質させていただく。
(再掲)
*****
・学校行事での物品の配布は校長の許可なくしては出来ない事です。
何故、そのような特定団体に属する親の子どもだけを対象にした品の配布を義務教育の学校行事で認めるのか。
学校の最高責任者である校長に対して行政の指導がされるべきだと思います。

・生徒は、その保護者の所属団体により、学校行事で他と異なる扱いを受けるのが相当なのか?
学校は是非、教育者として子どもに対して誠実で公正であって欲しいと思います。(朝顔さん)

*****

この問題も、生涯学習推進課の管轄外であり、担当部局は初等中等教育局か。


【質問3】
PTA問題の担当部局はどこなのかに関連して、次の審議会の「まとめ」に関わっている部局がどこなのか知りたい。
その「まとめ」とは、以前「PTA問題の源」で取り上げた、中央教育審議会 教育制度分科会 地方教育行政部会というところが平成17年の1月に出した「まとめ」<地方分権時代における教育委員会の在り方について>である。
(【関連質問】
この「まとめ」は今でも「生きて」いるのか?(つまり、これを否定するような新しい「まとめ」等は出ていないか。)
もし「生きて」いるなら、このような「まとめ」は、教育委員会や学校長の学校運営に影響力を持つものと考えられるが、そのような理解でいいか?)


その中身についての疑問は、担当部局がはっきりした段階で出すのが適当かと思うが、とりあえず書いておく。
その「まとめ」の中では、あろうことかPTAが学校と保護者をつなぐ上での必須不可欠のものとして位置づけられている。これは、文科省や教委がよく言う「PTAは学校とは別組織の、任意参加の一社会教育団体であり、基本的に自分達は口出ししにくい」という主張と矛盾するのではないか。
そもそも、<必須不可欠の団体>なら、保護者にとってPTAに入らないという選択の自由はないことになってしまう(「PTA問題の源」の赤字部分を参照のこと)。
保護者と学校の連携は、学校主催の「保護者会」を機能させることで十分に果たせるはずである。

(・以下もまだまだ練らなくてはならないと思っているが、これもとりあえず腹の中のものを出してみる・)
もしも口出しできないと言うなら、PTAを不可欠の組織であるように位置づけ、奨励するのはやめてほしい。PTAを一方で不可欠のものに位置づけておいて、一方で自分達は口出しはできないと言うのは、矛盾した態度ではないか。
口を出すなら、責任を取るべきだし、責任が取れないなら、余計な口出しは無用である。
中途半端な介入というか、リモートコントロールが、現場の混乱を招いているような気がしてならないのだ。


最後の方は、またまた興奮してきてしまいましたが^_^;、とにかく明日できるだけ冷静に話し合いをし、結果をできるだけ冷静にご報告したいと思っています。
文科省に言い分があるのなら、それをまずは聞いてみて、誰もがそれを【国民として】検討できるような形にまとめることも、今回の「対話」の意義であると思っています。

追記
追加して聞いておきたいこと
【質問4】文科省(あるいはその関連団体)では日本のPTAを他の国のそれと比較しているか?
日本のPTAのように、
保護者を「根こそぎ巻き込む」ような体制になっている国って
あるのだろうか?


追記の追記
【質問5】(【質問4】に関連して)何年か前の日Pの会長がアメリカのPTA協会(?)会長との対談で、「日本のPTAは全員加入である」と断言している(日P広報に掲載)。この発言は不適当と思われるが、日Pを管轄する文科省の担当部局として何らかの指導を行ったか? 行っていないなら、今後行うつもりはあるか?

学校、ひいては学校長の責任(これは、初等中等教育局マターではないのか!)

前エントリに対して次のようなコメントを朝顔さんからいただいた。

*****
4 ■何故、生涯学習推進課?
お邪魔致します。
2ちゃんねるでは時折レス頂いておりましたが、ちょっとドキドキです。

卒業式の記念品については、PTAの問題というよりは、卒業式を主催する学校、ひいては校長の責任を問うべきではないかと思うのですが。
この問題を持っていく場は初等中等課ではないのでしょうか。
学校行事での物品の配布は校長の許可なくしては出来ない事です。
何故、そのような特定団体に属する親の子どもだけを対象にした品の配布を義務教育の学校行事で認めるのか。
学校の最高責任者である校長に対して行政の指導がされるべきだと思います。
この事例がO.K.なら、例えば、「おやじの会」等の他の任意団体が学校行事において、
おやじの会に参加する親の子弟のみに物品を配布する状況も可と考えているのか?
文科省に質してみたいところです。
*****

コメント欄にも書いたとおり、激しく激しく同意であります!


この問題を取り上げたときの文科省側の返答は、

「全員加入が大前提だった時の名残なのでしょうね…。」
(まるおの反論:今は全員加入ではないでしょ!(補足:昔も今も任意加入ではあるが。)

「一部の生徒さんには証書を配らないというなら、問題にできますけど…。」
(まるおの反論:学校行事なのだから、生徒の差別的な扱いは許されないはずだ。
※現時点の補足:クラスのお楽しみ会のときに、会員の子どもにだけPTA提供のお菓子やジュースを飲み食いさせたら、大問題だろう。その時、「給食を出さないわけではないですから…」などという言い訳が通るのか(怒)!)

というものだった・・。


来週、文科省側からどのような返答が行われるのかはわからないが、十分な返答がないときは、

>学校行事での物品の配布は校長の許可なくしては出来ない事です。
何故、そのような特定団体に属する親の子どもだけを対象にした品の配布を義務教育の学校行事で認めるのか。
学校の最高責任者である校長に対して行政の指導がされるべきだと思います。
(朝顔さん)

※朝顔さんより、その後いただいたコメントも追加しておく。
>生徒は、その保護者の所属団体により、学校行事で他と異なる扱いを受けるのが相当なのか?

学校は是非、教育者として子どもに対して誠実で公正であって欲しいと思います。


この点をしっかりと主張し、「生涯学習局」で対応不能なら、初等中等教育局に対応してもらいたいと思います。


上の問題の他に、学校(長)、ひいては初等中等教育局の責任問題として取り上げられるものとしては、入会についての十分な説明なしでの、学校長名での給食費等との抱き合わせ徴収の問題がある。
実は、この問題については、確か3年前に文科省に問い合わせたことがある。その時、文科省の担当者(生涯学習推進課)も「おかしい」ということに対して理解を示していたのだ。

「確かに、それは問題ですね…」と。

とは言うものの、学校の問題を取り上げるのは大変なことであり(「教員の処分にもつながるんです…」とのことたった)、うちの部局だけではなんとも決められないので他の部局(初等中等)とも相談させてほしいということであった。
その時は、「近く、日Pで会員の入会のあり方について話し合いが始まります。」とのうれしい情報を得たので、「まあ、そうせっつくことなく進展を待とう」と、その後、この問題について突っ込むこともなく、今に至っていた。
(なお、このやり取りについては、リアルタイムで2ちゃんのどこかで報告している。)

今回、朝顔さんのご指摘をいただき、自分の中で「放置されていた」問題を思い起こすことができた。
この約3年の間に、文科省内部や日Pにおいて、どのような進展があったのだろうか?
その時、話題に上がった、

①学校長のPTA会費の不適切な徴収の問題
②日Pでの「入会のあり方についての話し合い」

の点に付き、その後どのような進展があったのか? この点についても、来週の話し合いのときにぜひ確認したいと思う。
(ちょっと記憶に自信がないのだか、3年前に応対してくれたのは、確か現在のSさんの上司に当たる方のように思う。)

文科省に聞いてみた(入会の強制と卒業式における生徒差別の問題)

7月のエントリでとりあげた、入会の強制と卒業式における生徒差別の問題につき、文科省に問い合わせてみた。

応対してくれたのは、生涯学習政策局 生涯学習推進課「PTA活動係」のS氏。
全国的な問題としてとりあげてくれるかどうかはともかくも、少なくともこれらのケースについては「とんでもないこと」としてすぐに動いてくれるかと思っていたが、甘かった^_^;。

要するに、「それぞれのPTAの内部で解決してほしい。文科省の立場でとやかくは言えない」とのことだったorz。「みなさんでよく話し合って解決してほしい」ということを何度も言われたような気がする。

それに対しては、今回の当方の指摘するケースは、「その会の会員内部の問題」では決してないことを指摘した。
前者は、会には関わりたくないと思っている保護者の思想信条や選択の自由を不当に制限し、PTAに巻き込むというケースだし、後者は、非会員の子どもが卒業式という学校行事において差別的な扱いを受けかねないというケースだ。
いずれも、「会員内部の問題」ではない。「みなさんでよく話し合って」と言われても困るのだ。

学校と深く関係する団体が不法な断言をして有無を言わせず新入生の保護者を自分たちの会に巻き込もうとするのを学校当局として放置していいのか?
卒業式における生徒差別に学校が加担する、あるいはそれを放置していいのか?

上のようなことを述べ、再考を求めた。

その結果、
①文科省から各当該市P協に対して当方の考えを伝える
②上司に相談してみる
との返答を得た。
※単Pを管轄しているのは、各市のP協との認識だった。私が「P協が単Pを『管轄』しているのですか?」と問うた所、「上部団体ですからね。」とのことだった。「P協に問い合わせた場合、窓口になってくれる人はいるのか?」と尋ねたところ、専任職として「事務局長」がいますとのことだった。

①と②の結果は、一週間後に教えてもらえることになっている。

補遺
最終的には①、②に示したとおりに収束したのだが、話し合いの過程で文科省側から出た言い分を記録しておく。それに対する当方の言い分は赤字で示す。
なお、赤字で示した当方の主張は基本的に担当者とのやりとりの中で述べたものですが、一部、この時点で加えたものもあります。

<入会の強制について>
会則上全員加入になっているのなら仕方がないのでは。それをおかしいと思うのなら、会則を変更するよう努めるべきではないのか。
・納得の上会員になっているのならそのロジックは成り立つが、「会員になるつもりがない保護者も巻き込まれる」ことを正当化はできないだろう。そのロジックによると会則を変えられない以上、おとなしくPTA会員でいるしかなくなるが、そんな馬鹿なことが法治国家においてあっていいわけがないだろう。
「会員にならない自由」は、法的な義務がない以上、断固としてあるはずである。
その自由を「Pちゃん」の言い分はやすやすと踏みにじっているのである。
こんなことが放置されていいはずがないではないか!!



<卒業式における生徒の差別について>
非会員の子どもには証書を渡さないというようなことがあれば指導はできるけれど、「なくてもいいものである」ケース等が渡されないからと言って、指導は難しい。
・卒業式は学校主催の学校行事であることをよく考えてほしい。学校行事におけるいわれなき差別が許されるとは思えない。「なくてもいいもの」と言うのなら、そもそもそのようなものの配布を卒業式で行うことをやめればいいのではないのか。

市教委に聞いてみた(証書のホルダー代等の件と、加入率、入会の意思確認の問題)

7/16のエントリ(「筒代とお花代は全市的に公費で支出されていた!(ようだ)」)でとりあげた、卒業式の証書の入れ物とお花代等は、やはり、全市的に公費から支出されていた(嬉)。当市には中学校10校、小学校5校があるが、「例外なし」とのことだ。
ちなみに、証書の入れ物は、今はケース(ホルダー)が多いらしく、中学校のすべて、小学校のうちの2校がケース(ホルダー)だそうで、筒を使っているのは、今では小学校3校だけだそうだ。
会場飾り付けのための花代等も、学校行事に要する「消耗品代」として公費より支出されているとのこと。
この当市の方式が全国的に広まるといいと思う。

今回、教委事務局の担当者に、上の問題に加えて、加入率と入会の意思確認がどうなっているのかを問い合わせてみた。
この問題についても、「各学校に問い合わせてみる」という大変前向きな返答をいただいた。
月末には回答をいただけるとのこと。(その時に証書の入れ物の単価も教えてもらうことになっている。)

加入率については、シーバさんが紹介してくださった、東京都教育庁からのアンケート(小・中学校におけるPTA等の実態調査票)中の、2の(4)の「加入率」を問う設問が参考になるはずと担当者に伝えておいた。(このアンケートは昨年度末に実施されたものと思われる(?))
(なお、担当の方は昨年度は別の部署に在籍。)

子どもの在籍した中学のPTAについては、もう5年位前からきちんと意思確認を取るようになっている。しかし、それでも2年ほど前に中学に問い合わせたところ、「全員、入っています…」とのことだった。
どういう結果になっているのか、気になるところだ。


「加入の意思確認をきちんとしているか否か」については、以前、市教委に対して、「全市的に意思確認をきちんと取るようにしてほしい」と要請し、前向きに善処するとの感触を得ていた。(←あくまでも感触ですが^_^;)
こちらの方も、どうなっているか、大変に気になるところだ。

もしも、今回の調査で意思確認をきちんとしていないところがあることが判明したら、そのようなことは改めるように働きかけてほしいと思っている。
(そのようなことのないよう願っているが。)

入会の意思確認をうやむやにしているのは、「会の中の問題」ではなく、対保護者の問題であり、学校や教委がそれを放置することは許されないと思うのだ。

PTA問題解決へ向けた「土壌」改良を!

「PTAの問題について取り組んでいます。」と言うと、「でも、子どもを学校に任せっぱなしにするのはどうなのでしょうかね?」という反応が返ってくることがある。
ひとりの保護者として学校と連携し、学校に協力することと、一任意団体のメンバーとして学校と関わることとの区別がなされていないのだ。
そう言えば、杉並区の和田中学の元校長で、現在は大阪府の特別顧問をされている藤原和博氏のようなプロ中のプロのような人でも、「PTA」を完全に「保護者」の意味で使っていた。

PTA=保護者
保護者=PTA

という意識は非常に根深いものと言えそうだ。

私はPTA批判派の急先鋒の一人だと自負(?)しているが、ひとりの保護者として学校と連携し、時に学校に協力することは大いに必要なことだと思っているし、実践もしてきたつもりである。
学校との連携・協力を具体的に言えば、一つは、学校主催の(学級・学年・学校全体の各単位の)保護者会に出席し、学校側の考えをよく聞き、必要に応じこちらからの要望や言い分もしっかりと伝えること。そして、もう一つは、学校側から協力の要請があったら、それに応えられるようなら応えること。
保護者の「務め」としては、この二点に尽きる(=ミニマム)と思うのだ。
このミニマムを遂行するに当たって、PTAの「出る幕」は、本来ない。

「保護者会」は学校行事として学校主催で行うべきものだし、「お手伝いの要請」も 【学校が】 一人ひとりの保護者に対してなすべきものである(なぜならば、学校の運営責任は一義的に学校にあるのだから)。そこに必要なのは、学校と「一人ひとりの保護者」である。「ひとからげにされた保護者」などでは断じてないはずだ。

ところが、残念ながら多くの学校の現状がそうなっていないことは皆さんご存知の通りであるし、文科省の方針が、上に述べたことと大きく食い違っていることは、「PTA問題の源」で紹介した中央教育審議会の文書の赤字の部分を見れば分かるとおりである。
再度引用しておく。

*****
 学校は,PTAを通じ,保護者に対して学校の教育方針や教育活動の実施状況,学校評価結果を説明し,保護者の十分な理解を得るようにし,一方,PTAは,保護者全体の意見を踏まえながら学校に協力していくことや,子どもの教育の当事者として各家庭における教育の充実に取り組むことが望まれる。また,学校はPTAに対し学校評価への協力や参画を促すことも重要である。
*****
どうも、文科省や学校当局は、保護者を「ひとからげ」にしたくて仕方がないらしい。

学校と保護者の連携になぜPTAが介入する必要があるのか?
【学校行事としての】保護者会をきちんと機能させれば連携は十分に可能なはずだ。それで、なにが不足だと言うのだろう?


学校には、「学校教育」という仕事をきちんと果たしてほしいと言いたい。
それがあなた方のお仕事なのだから。

学校教育の主催者は学校であり、家庭教育の主催者は保護者である。
そのけじめをしっかりとつけようではありませんか。
しっかりとけじめをつけたうえで連携・協力しましょうよ!


現状はおかしなことに、多くの学校で保護者との連携が、「まとめ」の文書が指し示すとおり、「PTAを通して」なされているので、学校と連携したいと願う保護者(これはすべての親の願いと言っていい!)は、PTAに入らざるをえなくなるという構造になっている。
これでは、「学校とは別組織の一社会教育団体」という看板に偽りありと言わざるを得ないのである。
PTAで追い詰められた保護者は、退会しようにも、そうしてしまうと安んじて子どもを学校に通わせがたくなるから苦悩するのである。
いったい、どこが学校とは別組織というのだろう?
これを、ダブルスタンダード、二重基準と言わないで、なにをそう呼べばいいのだろう。

学校と保護者の連携・協力は「保護者会」を通して行い、「それでは足りない!」と思う保護者や教員は、PTA活動に励めばいいと思うのである。
どう考えたって、これが法令とも整合する本来的なあり方だと思うのだが、どうだろう?

このような本来のあり方になれば、必要とされる学校と保護者との連携・協力はきちんと確保されつつ、不要な保護者同士の軋轢は解消されるはずである。
いいこと尽くめではないだろうか?

PTAの現体制に肯定的な方、反論があればぜひ。
また、PTA批判派の方からの補足、疑問、反論もあれば、ぜひぜひ。

筒代とお花代は全市的に公費で支出されていた!(ようだ)

文科省・教委は学校行事での差別を放置していいのか?」(7/14)の第6コメントの一部を再掲する。

***
わたしの子供が通っていた中学では、以前はPTA会費から証書のホルダーを贈っていましたが、非会員のお子さんにどうするかが問題になり、まずはお声をかけ、希望者には実費を負担してもらうということになり、それにも問題ありとなり、次年度からは公費から支出されることになりました(その際ホルダーから低コストの筒になったかどうかは未確認です)。
で、それまでホルダー代に回っていた会費は、記念植樹代に回されることになりました。
これは名案だな~、と思ったものです(もう4,5年前の話です…)。
***

さらに、第7コメントの一部を再掲する。

***
近々、地元の教委に市立の小中学校の卒業証書の筒代の負担はどうなっているのか聞いてみたいと思っています。
子供が通った学校以外の学校がどうなっているのか知りたいですし。
もし、全市的に公費負担になっているのなら、一つのモデルケースとなるのではないかと。
ちなみに、財政事情は決してよいとは言えない自治体です。(←この理解でいいですよね(汗))
***

というわけで、本日、うまく時間が取れたので、教委事務局を訪ねて、お話を伺うことができました。

結論を言いますと、現在、当市の小中学校では、全市的に証書の筒なりホルダーは「公費負担」になっているはずとのことです。(正式な回答は、各学校に確認のうえ、7月末にいただけることになっています。)
会場飾り付けのためのお花についても聞いてみましたら、これも、公費で出しているとのことでした。
会場飾り付けのための紅白の横断幕も公費だ、とのこと。(そう言えば、子どもの卒業式のときにあったな…。)
ただし、「公費で出している花だけではさびしいので、さらにPTA会費を使ってもっときれいにしよう」というケースがあるかどうかは把握していないとのことでした。

当市は、けっして財政的に恵まれているとはいえない自治体ですが、それでも筒代や花代はきちんと予算として認められているわけです。
これは、PTAのあり方とは…さんがよくご指摘になっている都の出した通達が影響しているのかもしれません。
 義務教育における私費負担の解消について(昭和四二年三月一三日)四二教総庶発第一四八号
 私費負担の解消と学校運営の適正化について(昭和五六年三月二〇日)五五教総法発第六〇号

やってやれないわけでは全然ないようですね。

それゃあ、「PTA」から出してもらえれば、そのお金は他に回せるのでしょうから、学校にとっては助かると言えば助かるわけでしょうがね。

しかし、非会員のお子さんを差別するようなことになるなら、この「悪習」は全国的に一掃されるべきだと考えます。

文科省・教委は学校HP上の「不法発言」を放置していいのか!

仙台市の某小学校のHPには[PTA]のボタンがある。
で、[PTA]のボタンをクリックすると、PTAのHPが出てくる。
PTAのHPにはQ&Aのコーナーがあり、「Pちゃん」というかわいらしいキャラクターがPTAについて教えてくれるという趣向になっている。
今のところ、まだひとつのQ&Aしかない。
しかし、恐ろしいことが書いてあるのだ。

*****
Q:保護者でもPTAに入らない人はいるのですか?

(Pちゃんが答える。)
A:八木山小学校の児童の保護者は必ずPTA会員となります。八木山小学校PTA会則に定められているんだ。
*****

これは、「任意加入である事実に対する説明不十分」という問題どころの話ではない。
「任意加入ではなく、全員加入なんですよ!」と言明しているのだから。
事実に反することを「しゃあしゃあ」と断言しているのだから。
学校のHP上において!!

これはある意味、おれおれ詐欺以上に問題ではないだろうか。
PTAが原因で、心身を病んだ人を私は何人も知っている。
カワバタさんも同じようなことを言われているので、これは決して局部的・特殊的な現象ではないはずだ。
また、PTAが原因で引越しをしたのでは?というケースを私は知っているし、あっても全然おかしくないと思っている。

そのような被害も、法令上の位置づけ通り、PTAが自由に入退会のできるものであるのなら、起らなかった可能性が高い。
そのような点を考えるならば、公然と全員加入であると「騙り」、そうして(おそらくは)保護者全員をPTAに入会させていることの罪はたいへんに重いと思うのだ。


これとまったく同じケースが他の学校でもあるかどうかは知らないが、ここまで露骨なケースは稀かもしれないが、同様の「情報」が口頭ないしはペーパーで伝えられていることは大いに考えられる。
現に、わたしの子供が通った中学校でも、「PTAには保護者全員に参加していただきます」という案内が、PTA会長名で保護者に文書で通達されたことがあった。
(余談になるが、運営委員会でこれに噛み付いて、その通達を撤回させたのが、私がPTA問題に深く関わる端緒になった。)

強制加入の問題は、けっしてこの小学校だけの問題ではないはずだ。

これまた、文科省、および教育委員会の厳正かつ速やかな対処を求めたい。

文科省・教委は学校行事での差別を放置していいのか?

今日の2ちゃんの「PTAの違法性について5」(>>633)にたいへんショッキングな情報が寄せられている。
次のようなものだ。

*****
(本エントリ末尾の画像参照)

区別化って言ってるけど、会員の区別にはなってなくて、生徒の差別化になっている。
みんなに贈れない物なら配るのを止めてしまえばいいのに。
*****

もし保護者が同様の記念品を用意できなかったら、その保護者のお子さんは、卒業式という大切な場面で、他の生徒から差別されることになるのである。
学校行事なのですよ!!

学校はなにをしているのかと言いたい(怒)。
(ちなみに、この文書は、学校のホームページに出ているもの!)
卒業式という学校行事の主催者として、差別的行為に加担するなどということが、あっていいのだろうか。


PTAならPTAという団体が、卒業生全員に対して、贈り物をしたいというのなら、それがよほどおかしなものでなければ、ありがたくその申し出を受ければいい。
しかし、「自分達会員の子どもにだけ贈り物をしたい」と言うのであれば、そんな馬鹿な申し出は断わるべきだろう。
そんな無茶苦茶なことを言う団体の言いなりになっているとしたら、「学校がジャックされている」と言われても仕方がないはずだ。

学校行事、それも一生の思い出となる大切な日(このケースで言えば、義務教育最後の日である)に、生徒を差別するなどということが、あっていいはずがない。
なんでこんなことが分からないのか、ほんとうにため息が出る。


PTAのあり方とは…さんによると、PTA等への厳正なる指導を求めると、文科省は「重大な法令違反が認められない限り、指導はできない」と答えたそうである。

学校行事における児童・生徒の差別的扱い。
これは、文科省の言う重大な法令違反に当たるのではないのか。

これに類似したケースは、うちの子供が通った学校にもかつてあった。
他の学校でも同様のケースがある可能性は十分に考えられる。

文科省・教委には、厳正かつ速やかな対応を求めたい。

なお、この問題は給食費の未払い問題とはまったく別の案件であることを確認しておきたい。

まるおの雑記帳-PTA会費問題

PTA問題の源

中央教育審議会 教育制度分科会 地方教育行政部会というところが平成17年の1月に出した「まとめ」に、
<地方分権時代における教育委員会の在り方について>
という文書がある。
目次をコピペすると、次のようである。

     <目次>
はじめに

Ⅰ 地方教育行政の在り方
(1)検討の背景
(2)新しい地方教育行政の在り方

Ⅱ 教育委員会の在り方
1 教育委員会制度の現状と課題
(1)教育委員会制度の沿革
(2)教育委員会制度の今日における意義・役割
(3)教育委員会に対して指摘されている問題点とその要因
2 教育委員会の組織及び運営の改善
(1)教育委員会の組織等の弾力化
(2)教育委員の選任の改善
(3)教育委員会議の運営改善・公開
(4)地域住民の意向や所管機関の状況等の積極的な把握
3 教育長,教育委員会事務局の在り方の見直し
(1)教育委員会の使命の明確化
(2)教育委員会と教育長との関係の明確化
(3)教育委員会の自己評価
(4)教育委員会事務局の体制強化
(5)市町村教育委員会の事務処理の広域化
4 首長,議会と教育委員会との関係の改善
(1)首長と教育委員会との関係を見直す際の視点
(2)首長と教育委員会の権限分担の弾力化
(3)首長と教育委員会との連携
(4)教育財政における首長と教育委員会との関係
(5)議会と教育委員会との関係
5 都道府県と市町村との関係の改善
(1)国,都道府県,市町村それぞれの役割と関係
(2)市町村への教職員人事権の委譲
(3)都道府県教育委員会の在り方
6 学校と教育委員会との関係の改善
(1)学校と教育委員会との関係の在り方
(2)学校の裁量権限の拡大
(3)学校評価の改善
(4)学校に対する教育委員会の支援
7 保護者・地域住民と教育委員会・学校との関係の改善
(1)保護者・地域住民の参画
(2)保護者・地域住民への情報発信と要望への対応
8 教育委員会の在り方に関する継続的な検討

この中の、Ⅱの7「保護者・地域住民と教育委員会・学校との関係の改善」の(1)「保護者・地域住民の参画」の項に「とんでもないこと」が書いてある。
(1)「保護者・地域住民の参画」の項は、三つの小項目に分かれており、①は「保護者・地域住民の意向の反映」、②は「保護者・地域住民の学校への協力」、そして、③が「PTA活動の充実」なのだ。
③の全文を引用する。

*****
 保護者の参加する団体としては,従前よりPTAがあり,学校に対する支援を行うなど重要な役割を果たしている。今後,保護者・地域住民の学校の教育活動への参画が進む中で,その役割はますます大きくなるものと考えられる。学校評議員や学校運営協議会の委員の人選の母体としても重要性を増すことになる。
 学校は,PTAを通じ,保護者に対して学校の教育方針や教育活動の実施状況,学校評価結果を説明し,保護者の十分な理解を得るようにし,一方,PTAは,保護者全体の意見を踏まえながら学校に協力していくことや,子どもの教育の当事者として各家庭における教育の充実に取り組むことが望まれる。また,学校はPTAに対し学校評価への協力や参画を促すことも重要である。
 更に,PTA活動の中に地域住民を取り込み,PTAが核となって保護者・地域住民の学校教育への参画を推進していくことが望まれる。
 PTAが学校に協力する際には,学校の求めに応ずるだけではなく,例えば,有志の親の会の結成や学校支援ボランティアの組織化など,保護者や地域住民の自発性を重視した取組を進めることが望まれる。
*****

私が特に見過ごしがたいと思うのが赤字の部分。
これでは、PTAというチャンネルを通してしか学校と保護者は連携できないことになってしまうではないか!
学校と保護者が交流する場所のど真ん中にPTAが場所を占め、そこを通らないでは、学校も保護者も身動きできないような仕組みになっている。
これでは、学校ときちんと連携を取りたいと思う保護者がPTAに関わらない道は、事実上、閉ざされていると言わざるを得ない。違いますか?

文科省は、PTAをこのように位置づけておきながら、よくも「PTAは学校とは別組織の一任意団体に過ぎないから、わたくしたちは口出しできません。どうぞ、ご自分達で解決を。」などと言えるものである(怒)。


だいたい、この文書のロジックにおいては、学校主催の「保護者会」と保護者主導の「PTA」との区別が全然できていないように思う。
ひょっとして、文科省において、「保護者会」と「PTA」の区別はついていないのだろうか!?
(これは、とっても大きな問題だと思われるので、いずれ独立したテーマとしてとりあげたい。)

うちの子どもが通った学校においては、「保護者会」と「PTA」の線引きは曲がりなりにもなされていたので、それらの区別は当然あるものと思っていたのだが、最近、どうもそうでもないらしい気がしてきた…。
(このあたりにお詳しい方、ご教示の程を<(_ _)>)


平成17年と言えば、まだPTA問題が前景化する前である。
ひょっとしたら、文科省のスタンスもその当時とは変わっているのかもしれない。
そのあたりのことも、ぜひ文科省の担当者に聞いてみたいものだ。


なお、この文書の存在は、2ちゃん育児板の「PTAの違法性について5」におけるPTAのあり方とは…さんの発言(>>170)により知りました。あり方とはさん、ありがとうございます。



おまけ
引用の最後の段落にも、「恐ろしいこと」が書いてあるような…。
「PTAが学校に協力する際には,学校の求めに応ずるだけではなく,例えば,有志の親の会の結成や学校支援ボランティアの組織化など」とあるが、「有志の親の会の結成や学校支援ボランティアの組織化」などとこの文脈で言うということは、「PTA」は、有志の会でも、ボランティア組織でもない、ということかい。
本音のところでは、文科省も、PTAは親のつとめ(役割)だと思っているようだ(怒)。
↑誤読だったら、お許しあれ。

素晴らしいPTAと修羅場らしいPTA

表題のリンク集が動きはじめました!
私も発起人・管理人の一人です。

リンク集の部分は、PTA関連の情報にイロイロと触れられる場所になるはずです。
また、BBSその他は、第一に、PTA問題で悩める人が思いを吐き出せる場になればなと。
そして、第二には、PTA批判派とPTA擁護派が正々堂々と議論のできる場になればと思っています。
擁護派・体制派の人々には、自分達がやっていることに対して、きちんと説明責任を果たしてもらいたいと思うし、批判派は無責任な批判ではなく、現実性のある代案を示せるよう努力すべきだと思っています。

Think!PTA! すばらしいPTAと修羅場らしいPTA

(おぅ! リンクが出来た!
とまてさん、ありがとうm(__)m)

組織率95%以上のPTAの会長経験者に投票しない会:会員番号01025 まるお

補足
:↑では、批判派・擁護派と単純に二分してしまいましたが、中間派・中庸派の方もいらっしゃるでしょうね。私の勝手な位置づけでは、シーバさん、ばたやんさん、そしてカワバタさんがここに入るかな(?)。
とにかく、いろいろな「流派」の人が、それぞれのタコツボにこもることなく、意見交換のできる場になればと思っています。(6/21)