親子交流(面会交流)支援団体の代表であり、お坊さんでもあり、母でもある私の日々徒然日記 -2ページ目

親子交流(面会交流)支援団体の代表であり、お坊さんでもあり、母でもある私の日々徒然日記

一般社団法人びじっと・離婚と子ども問題支援センターの代表理事であり、大法寺副住職でもあり。そんな自分の日々徒然日記。

離婚後の共同親権の導入を柱とする民法改正案を巡り、自民、公明、立憲民主、日本維新の会の4党は法案の内容を一部修正することで合意した。12日に衆院法務委員会で採決され、与党などの賛成多数で可決される見通しだ。

 

4党の実務者が、親権者の決定に際しては父母双方の「真意であることを確認する措置を検討する」などを付則に入れることを申し合わせた。ドメスティックバイオレンス(DV)がある場合、真意に基づいて合意できない恐れがあるとの意見が出ていた。

 

立民は合意を踏まえ、週明けの衆院本会議で修正案に賛成すると決めた。

現在、離婚をすると親権は父母のどちらかにしか認められない。改正案が成立すれば父母は協議によって親権を双方が持つかどちらか一方が持つかを決められる。「子の利益」を害すると家庭裁判所が判断した場合は単独親権となる。

 

 

 

 
法務省により、2024/4/1から本格的に『面会交流』が『親子交流』に変更されました。
 
法務省が変えるのだから、びじっとの表記も変えないとと思うので変えました。
 
しかし、誰も納得などしていません。
 
私たちは、親子交流だけを支援しているわけではないからです。

子どもが愛着を抱いたものを失わせない配慮のため。
 
父母が別居・離婚することによって、おもちゃ、子ども部屋、自宅、猫や犬などの愛玩動物、別居親側の親族、幼馴染み、近隣の住人等々、それこそ、ありとあらゆる様々な愛着対象と子どもは別離しなければならなくなります。
 
それは、自分が産声をあげた瞬間から築き上げてきた自分史を失うということです。
 
その喪失体験を少しでも軽くしたいから、支援をしています。それが、大人たちの責任だと思うから。ただ『親子の交流』を支援しているのではないのです。
 
そのことだけは、はっきりと伝えたい。
子どもたちが失う自分の歴史の重さを私たち大人は、もっと気がつく必要があります。
 
 
 

 

面会交流支援機関の紹介とは?

 

 国境を隔てて所在する親と子が面会できない状況を改善し、親子の面会交流の機会を確保することは、子の利益につながると考えられることから、ハーグ条約は、親子が面会交流できる機会を得られるよう締約国が支援をすることを定めています。
 外務省は、当事者双方が面会交流の実施に関して同意した場合、面会交流を円滑に実施できるよう、面会交流支援機関を紹介し、支援機関を利用する際の費用を一定の限度で負担します。

 日本の中央当局による支援を受けるためには、日本の中央当局に対し、ハーグ条約実施法に基づく援助申請を行い、日本の中央当局により援助決定がなされていることが必要です。

 

 

外務省(中央当局)では、2014年4月1日に日本が締約国となって以来、ハーグ条約に基づく返還援助申請及び面会交流援助申請の受付・審査や当事者間の連絡の仲介、外務省の費用負担による裁判外紛争解決手続機関(ADR)の紹介、弁護士紹介制度の案内、面会交流支援機関の紹介等の支援を行っています。

 

この度、びじっともハーグ条約対応の面会交流支援機関として外務省から認定されました!

 

・外務省(日本の中央当局)に対する援助申請

https://www.mofa.go.jp/mofaj/ca/ha/page22_001070.html

 

・面会交流を希望する方へ(ハーグ条約に基づく中央当局による援助について)

https://www.mofa.go.jp/mofaj/fp/hr_ha/page22_001008.html

 

・支援機関リスト 

https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000033396.pdf

 

 

 

 

コミュニティへの貢献に対する考え方

先進国における少子高齢化による労働力不足や、開発途上国における人口爆発、紛争などによる食料不足など、人々が地球上で暮らしていくために解決すべき課題は数多く存在しています。

 

BIPROGYグループは、「すべての人たちとともに、人と環境にやさしい社会づくりに貢献します」という企業理念、「先見性と洞察力でテクノロジーの持つ可能性を引き出し、持続可能な社会を創出します」というPurpose(パーパス:企業の存在意義)のもと、事業を通じた社会課題解決に加え、「障害者支援」「次世代育成」「地域貢献」を重点分野として社会貢献活動を行っています。


また、当社グループは、事業において社会課題解決を進める社会DXの推進にあたり、社員の社会課題への感度を高めることが重要であると考えており、社会貢献活動を人財育成、社員の意識改革の一環として取り組んでいます。2021年度より「社会貢献活動への役職員参加人数」を重要指標の一つとしており、2023年度までに、2020年度(84人(実人数))比20%増をめざしています。2022年度は、対面コミュニケーション機会の増加にともない、143人(実人数)が参加し70%増となりました。


社会貢献活動方針
  1. ICTサービスを通じて人と環境にやさしい社会づくりに貢献します
  2. 社会の期待と要請に対する感性を磨く人財育成の一環として、社員によるボランティア活動などの自発的な社会参加を支援します
  3. ステークホルダーの声に真摯に耳を傾け、コミュニティに参画し、コミュニティの発展に寄与します

社員の自発的な社会貢献活動を支援する「ユニハート」

ユニハートは、社員の自発的な社会貢献活動の推進を奨励し、社会に貢献することを目的に2006年に設立しました。会員は844名(2023年3月末日現在)。会員自らが企画・運営を行うチャリティイベントや、NPOなどへの寄付など幅広く活動しています。当社としては、ユニハートの寄付に応じたマッチングギフトにより、会社としての支援を実施しています。

 

 

 

「びじっと」は、BIPROGYグループ社会貢献クラブ「ユニハート」、およびBIPROGY株式会社の寄付先団体に選ばれました。2021年度、2022年度に引き続き3回目のご寄付を賜りました。心より御礼申し上げます。

 

一人でも多くの子どもに安定的で継続的な面会の機会を提供し、「面会交流が当たり前な社会」を目指して取り組んでまいります。

 

本日、横浜の事務所に、ぶらっくさむらいこと武内猛監督が、わざわざ寄付金を届けに来てくださいましたキラキラ
 
理事の阿部が受け取らせていただきました。
 

貴重なるご寄付を賜りまして、まことに有難うございました!

 

父母の関係性に巻き込まれている子どもたちのために大切に使わせて頂きますにっこり

 

 
面会交流支援は、父親、母親、そして子ども、それぞれと関わることができる、とても稀な対人支援であると思います。
 
なので、渦中の当事者の皆さまでは見えないものが、見えていたりします。
 
父母が、それぞれの立場で、自分が被害者、相手が加害者だと言われる、その間に立たされているのは他でもない、お二人のお子さんです。
 
父母がお互いに相手へと向けていると思っている矛先にいるのは、我が子なのです。
 
支援を利用される方々に考えて頂きたいのは、この点です。
 
例えば、病を治すのは医師ではなく、患者さん自身なのです。医師は、患者の様子を診て、改善の道筋を説き、必要な処方をいたしますが、患者さん自身が、医師の話を真摯に受け入れて、処方された事柄をきちんと守らなければ、治るものも治らない。つまり、患者さん自身が治そうという姿勢を見せて努力しなければ、病は治らないのです。
 
面会交流支援も同じ。
何のために第三者機関を入れてまで面会交流をするのか?
それは、誰のために行うのか?
考えてみましょう。
 
すべては、自分の子どものために、です。
 
支援を真摯に受け入れて、父母が互いに最低限の信頼関係構築する努力をしていただければ、お子さんも何ら気兼ねなく、父母に身をゆだねて素直に甘えることができます。子どもが子どもらしくあるためには、大人が大人マナーを持ってして対応することが、求められます。

 

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「赤い羽根福祉基金 2024年度事業助成」について、2023年11月22日~2023年12月27日まで公募を実施し、全国39都道府県から137件(8億2,391万円) の応募が寄せられました。

このたび、2024年2月19日及び27日に開催した審査委員会での協議を経て、下記のとおり計31事業・総額2億83万円の助成を決定しました。

 

【新規事業】
 件数:12件(重点助成4件・一般助成8件)
 総額:8,030万円(重点助成1,789万円・一般助成6,241万円)
 

【継続事業】
 件数:19件(2年目:重点助成4件・一般助成10件、3年目:重点助成1  件、一般助成4件)
 総額:1億2,053万円(2年目:重点助成2,000万円・一般助成7,695万円、3年目:重点助成500万円、一般助成1,858万円)

 

助成決定した事業は、制度や分野を超えた複合的な課題に取り組む先駆的かつモデル的で、今後全国または広域的な広がりが期待されています。これらの事業を通じて、公的サービスでは対応できない福祉課題の解決を促すとともに、多様な組織・団体との連携を深め、市民の参加を促し、誰もが支え・支えられる持続可能な社会づくりをめざしていきます。

 

 

 

この度、びじっとは、赤い羽根福祉基金 2024年度 事業助成の助成先団体に決定いただきました!

 

 

離婚後の共同親権制度導入が進んでいますが、面会交流支援団体は、まだまだ足りません。

 

たとえ父母の関係性は高葛藤であっても、そこに赤の他人の第三者が介入支援するだけで、子どもと親の縁は途切れず、子どもは父母から育まれることが可能となります。

 

そのような面会交流支援団体が日本には足らないのです。

 

 

赤い羽根福祉基金では、

 

多くの子どもが面会交流支援を受けられるための、小規模面会交流支援団体のサポート体制構築事業

 

を行うために、大切に使わせていただきます。

 

面会交流支援団体の『老舗』として、これから何をしていかなければならないだろうか?と考えますと、これから設立されてくる若い団体の支援応援ではないでしょうか?と元旦にも書きましたが、それがいよいよ始動させることができます。

 

 

本当に心から深謝いたします!!

 

 

 

ずっと雲隠れ状態だった元卓球日本代表の福原愛さん(35)が、2024年3月15日に突如、都内で記者会見を開いた。折しも、日本の国会で「共同親権」法案が審議されているが、台湾の共同親権制度のもとで起きた“子どもの取り合い”と和解から何が読み取れるだろうか?

 

逮捕の可能性さえあった福原愛

2022年、離婚した江宏傑さん(35)と福原さんの間で、日本と台湾をまたいでの親子交流が開始された。ところが福原さんが約束通り台湾に息子を帰さなかったため問題となり、関係が泥沼化。それ以来、彼女は表舞台から姿を消していた。未成年者略取による逮捕も噂されていた中、急転直下なぜ和解という決着をみたのか――。

3月15日午後2時、福原愛が日本外国特派員協会の会見場に姿を現した。反省の気持ちを表すかのような黒のスーツ姿。硬い表情で口を開く。

「この度は私のことで、皆様にご心配やご迷惑をおかけしてしまい、誠に大変申し訳なく思っております。江さんと和解いたしましたので、この場をお借りして皆様にご報告をさせていただきます。これからは、江さんと協力をして、子供を育てていきたいと思っております。皆様にはどうか温かく見守っていただければ幸いです。今後ともよろしくお願いいたします」

そこまで言い切ると、彼女はわずか数分で会場を退出した。和解に至った経緯などについて、何も話すことはなかった。

共同親権のもとでも起きた“子ども連れ去り”

和解についての弁護士による説明の前に、これまでの経緯を整理してみよう。

 

江さんとの間には、長男(’19年生)と長女(’17年生)がいる。2021年7月、二人が離婚した際、台湾の法律に従って共同親権で主要扶養者(日本でいう監護権)を江さんとして、定期的な交流の取り決めが交わされていた。

 

 共同親権が原則の台湾では、裁判官が双方の意見と、子供の最大の利益を考えて、主要扶養者を決めることになっている。監護権(子どもと暮らして育てる権利)も、その他の権限も明確にするので、台湾の中での子連れ離婚は、もめることが少ないのだ。 

 

ところが今回は、単独親権制度をとっている日本との間での国際離婚だったことも影響したのか、子どもを取り合うドロ沼の争いとなってしまった。

 

2022年7月、江さんは自身のSNSで「(福原さんが)子どもを連れて日本に帰国したまま連絡が取れなくなった」と明らかにした。

 

さらには23年7月、江さんが会見し、日本の裁判所で審判を起こし、子の引き渡しを命じる審判が7月21日に下されたことを伝えたのだ。 

 

その場で江さんは、任意での引き渡し望んだが、福原さんは応じず。23年8月には、福原さんの元にいる長男を強制執行という形で、台湾へ連れ戻す申し立てが認められた。 しかし、福原さん側は徹底抗戦し、7月の引き渡し審判への不服申し立て(抗告)を、東京高裁・最高裁に行っていた。 

 

それに対し、江さんは福原さんを刑事告訴し、日本の警視庁に受理されていた。逃亡の恐れありと認められれば、未成年者略取容疑で福原さんは逮捕される可能性すらあったのだ。 

 

このように揉め、最悪、逮捕されるかもしれない状況で、福原さんは表舞台から姿を消していた。

 

福原愛さんはなぜ逃げ切れると思ったのか

強制執行がなぜ行われなかったのか。そしてなぜこのタイミングで和解となったのか。会見では江さんの日本側の代理人、大渕愛子弁護士が和解までの経緯を語った。

 

「昨年7月に(江さんが)会見をした時点で(福原さんが)どこの国に行ったのか定かではありませんでした。調査の結果、8月の後半から9月にかけて中国にいることが判明しました。その後、代理人の間で話し合いが進められて、和解が成立したので、日本において引き渡しがなされた。江さんと息子さんはすでに日本を離れました」 二人の間にはもはや何の争いもない。福原さんは、不服申し立てを取り下げたためだ。 

 

ではなぜ和解となったのか。その決め手について語ったのは、これまで福原さんの代理人をつとめてきた民事の弁護士ではなく、刑事告訴されたのちの昨年12月、福原さんに依頼され代理人に就任した酒井奈緒弁護士であった。 

 

「本件は、福原さんが面会交流期間を過ぎても江さんに息子さんを戻さなかったことに端を発しております。以降、息子さんを江さんに引き渡すように裁判所から命ぜられても、福原さんが息子さんを引き渡さなかったこと、これは端的に不適切であったと言わざるを得ません。 

 

今回、私達からは、率直に、福原さんに『態度を改めないとダメだ』という話をさせていただきました。これに対して福原さんにおいても理解し納得をしたことから、私どもから大渕弁護士に、刑事弁護の過程で和解を申し入れるに至りました」 説得した際の、福原の態度はどうだったのか。中国に逃げたり、最高裁まで戦ったり、これまでずっと抵抗していたのだ。かなり拒否感があったのではないか。 

 

「私どもがきちんと説明をしたところ素直に応じていただいた。ダメだということは本人もわかっていた。それでもお子さんに対する思いが非常に強くて渡せなかったという印象です」(酒井弁護士)

 

「共同親権=平等に権利を持つ」は誤ったイメージ

そもそもだ。台湾でしっかりとした取り決めが行われたにもかかわらず、それを破ってまで長男を日本に留め置いたのはなぜか。約束通りそのまま返していれば、長女と会えなくなることも避けられたのではないか。

「なぜ福原さんがそのような対応をしてしまったかについては、当時福原さんがこの件を相談していた方から、そのようなアドバイスをされていたためであったと聞いております」(酒井弁護士)

 

そう言って、アドバイザーが「逃げ切れる」と入れ知恵したことを匂わせた。これ以上、引き伸ばすと本当に逮捕されるかもしれない。そうなれば日本でともに暮らしてきた長男を手放さざるを得なくなる。その上、これまで築きあげてきた名声もすべて失ってしまう――そうした追い詰められた状況下での説得だったのではないか。 また、日本人が共同親権を誤解している可能性も、大渕弁護士は指摘した。 「両方に親権があるのだから、(福原さんが)子どもを連れていっても問題ないという声も聞かれましたが、それは違います。『平等に権利を持つ』という日本人のイメージとは違って、共同親権でも主要扶養者(監護権)はどちらなのか、両親それぞれにいかなる権利があるのかを、非常に明確に決めるのです」(大渕弁護士)

 

共同親権では、それぞれの権限をきっちり決めるべき

福原さんのケースは、今後どうなるのか。

「和解の具体的な内容については、ここでは控えさせていただきますが、決して江さんが息子さんを福原さんに会わせないといった内容ではなく、今後双方ともに、息子さんの親として協力して育てていくことになります。日本でも台湾でも過ごす時間は十分あります。共同親権は維持したまま、監護権は江さんに依然として帰属したまま、という内容になっています」(大渕弁護士)

今回の和解は息子さんのことだけで、娘さんは和解の範囲外。とはいえ、福原が台湾に行けば、娘さんとの再会もありうるだろう。

また、日本で共同親権に根強い反対があることについて質問が出て、大渕弁護士はこう述べた。
「共同親権は対等に権利を持つから、何も決められずにトラブルがずっと続くのではないか、という印象をお持ちでしょう。ですが実際には、監護者や決定権限を明確に決めたうえでの共同親権なので、そういうことはないと考えています」
 
江さんの台湾側の代理人である徐〇博弁護士(〇は山カンムリに松)によると、DVがあった場合などは台湾でも単独親権を選ぶ人がいるという。いま日本で審議中の法案も、共同か単独かを選べる制度設計になっている。

今回のように、共同親権であっても“連れ去り”に近いトラブルは起こりうる。
と同時に、共同親権でなければ、福原さんは二度と子どもと会えなかったかもしれない。元夫を排除することをやめ、ともに国をまたいで育てるという選択をしたために、長らく会えていなかった娘さんとの縁もまた紡げるのだ。その意味において、福原さんは台湾の原則共同親権制度に救われたとも言えるのではないか。

離婚時の取り決めがなければ解決しなかった

今回の福原さんのケースは、最後は台湾での取り決めが決め手となり、落ち着くところに落ち着いた。それは離婚時にしっかりと取り決めがあったからこそだ。
筆者は、大渕弁護士に会見後、「台湾での取り決めがなかったら和解には至っていなかったのでは?」と聞いてみた。

「そのとおりです。共同親権という枠組みがあり、なおかつ諸条件の取り決めがあったからこそ、今回の結果に至りました。共同親権だけではダメでした。双方があったからこそ、和解に至ることできました」(大渕弁護士)

現在、国会で審議が行われている共同親権。法改正が行われれば、単独親権に加え、共同親権を選ぶことが可能となる。だが、どちらの制度にせよ、離婚時にきちんと取り決めをしていればトラブルはかなり回避できる。
日本の法改正も台湾同様に、双方の親の権限や監護権を明確にするべきではないか。もっといえば離婚時に養育計画の作成を義務づけるべきではないか。それが双方の親、そして子どもの幸せに繋がるのではないか。政治家は奮起してほしい。

 

<取材・文・撮影/西牟田靖>

 

 

 

 子どもが影響を受ける離婚をめぐる調停や審判などの司法手続きで、弁護士が子どもの意見表明を援助する「子どもの手続(てつづき)代理人」。2013年の制度施行後、裁判官が代理人を選任した子どもの数が346人にとどまることが、最高裁判所の調査でわかった。離婚後も共同親権を認める法改正で、子どもの人格の尊重が求められる中、制度の普及が鍵になりそうだ。

 

 朝日新聞記者の取材を受けて、最高裁が過去の事例を調べた。制度が始まった13年は8人。徐々に増えて21年には70人に達したが、22年は51人に減少。最高裁によると、22年に家庭裁判所で受け付けた新規の面会交流調停だけでも1万2876件あり、「子どもの手続代理人」が選任された割合は1%にも満たない。親権者の指定・変更の審判や調停、離婚訴訟など「子どもの手続代理人」をつけられる家事事件全体ではさらに低くなる。今年は1月末時点で1人だという。

 

 子どもの手続代理人制度は、家事事件手続法に定められ、13年1月に施行された。親権者や監護者をどちらにするか、別居親と面会交流するかどうかなど、未成年の子どもが影響を受ける司法手続きでは、父母とは別に子どもの代理人となる弁護士を手続代理人として、裁判官が選任できる。

 

 代理人は、できるだけ子どもの本当の気持ちを聞き取り、子どもの意見を文書にまとめたり、子ども自身が意見を陳述する手助けをしたりする。子どもと面接ができる家裁の調査官よりも継続的に子どもに関わり、子どもの利害関係のために動けるという特徴がある。

 

 ただ、制度は普及していない。制度に詳しい名古屋大学大学院の原田綾子教授(法社会学)によると、事件が複雑になる可能性や、代理人への費用負担が発生する懸念から、裁判官が選任に消極的な傾向があるという。

 

 原田教授は、「今回の民法改正案には、親の責務として『子の人格の尊重』が改めて規定され、子どもの意見表明権を保障する必要性が高まった。司法関係者全体が、これまで以上に、子どもの司法参加を促す態勢の整備をしてほしい」と話している。(杉原里美)

 

 

 

 

 

面会交流支援では、「子どもの最善の利益」について、

子どもの意見は「尊重」しますが、

その(個人の感情や偏見などによって色づけられた)意見が、

子どもの「最善」であるのかを常に考えています。

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 親の離婚によって、子どもたちも生活に大きな影響を受けます。その意見を、裁判所の判断にどう反映させればいいのでしょうか。家事司法の中の子どもの権利のあり方に詳しい名古屋大学大学院の原田綾子教授(法社会学)に聞きました。

     ◇

 今回の民法改正案に「子どもの意見表明」という言葉は入っていませんが、親の責務として、「子の人格を尊重する」と明記されました。既に821条にもある文言ですが、これが重要な視点として改めて検討され、その意義が確立されたことは評価しています。

 

 「子の人格を尊重する」という文言には、子どもの意見が適切な形で尊重されるべきだとの考え方が含まれ、その前提として、子どもの主体性の尊重が求められます。

 

 司法関係者は、子どもの主体性を尊重し、子どもが司法に参加できる環境をいっそう整える努力をしなければならなくなりました。司法の中で、子どもの声を聞く実務につながるような運用が求められます。

 

 誤解されることもありますが、子どもの権利条約にある意見表明権は、子どもに責任を負わせて何かを決めるというものではありません。子どもの声を周囲がきちんと受け止めて考えるという対話のプロセスを大事にするということなのです。

 

 子どもは、親の離婚の中で様々なことを考えています。子どもが離婚手続きに参加すると、何を言うか不安に思う父母もいます。「巻き込みすぎるとよくない」「もめる」と考える人もいるでしょう。

 

 ただ、親の離婚によって将来設計に影響を受ける子どもが、話し合いの蚊帳の外でいいのでしょうか。子どもは親とは違うことを考えている可能性があるということを、大人は重く受け止めなければなりません。

 

 子どもが安心して気持ちを外に出せるように、大人が手間をかけて子どもに関わり、子の最善の利益のために、仮に子ども自身が望まない決定になったとしても、丁寧に説明すること。そのための制度作りには、法案からもう一歩進めて、改善してほしいところがあります。

 

 現在も、家事事件手続(てつづき)法で、親権や別居親との面会交流など、子どもが影響を受ける調停や審判には、「子どもの手続代理人」をつけられる制度が設けられています。裁判官が、子ども専任の弁護士を「子どもの手続代理人」に選任し、代理人は、子ども自身が法廷で意見を述べる手助けをしたり、子どもの意思を代理したりすることができます。

 

 代理人を経験した弁護士に調査したところ、親からのプレッシャーを受けた子どもが本音を言えるようにサポートしたり、子どもの気持ちや意向を文書にして提出したり、一緒に期日に出席したりして、子どもの声が審理に生かされるように、かなり丁寧なやりとりを重ねていました。

 

子どもの手続代理人制度、広げるためにできること

 

 ただ、選任数は多くありません(最高裁判所の調べでは2023年は38件)。事案が複雑になる懸念から裁判官が選任をためらったり、父母に費用の負担が生じたりするため、利用が少ないのが現状です。

 

 裁判官が、家庭裁判所の調査官による調査で十分だと考えていることもあります。しかし、調査官は子どもへのインタビューで意思を把握することはできますが、あくまで中立的な単発の調査にとどまり、子どものために動くことはできません。

 

 子どもの手続代理人は、「あなたの気持ちをこんなふうに伝えたら、こんな影響があったよ」と、子どもにフィードバックすることができます。子どもの意思は変わることもあるので、継続的に関わることができる代理人のほうが意思の把握に適しています。代理人が子どもの声を聴取し、調査官が家庭状況の調査をするといった役割分担をして連携すれば、子どもがもっているイメージと家庭の状況にズレがないかを確認することもできるでしょう。

 

 今後は、できる限り多くの子どもが、手続代理人制度を利用できるようにする必要があります。父母が費用を負担すると、父母の考えに左右される可能性があり、望ましくありません。現在も弁護士会による費用の補助がありますが、国費でまかなわれるように予算化するべきです。

 

 また、代理人になる可能性のある弁護士を含め、司法関係者全体が子どもの人格の尊重を志向し、威圧的な雰囲気ではなく、子どもの気持ちをやさしく聞き取るための研修を受けられるようにしなければなりません。

 

協議離婚にも目配りを

 

 一方、日本では、裁判所を通さず、離婚届を出すだけで離婚が成立する協議離婚が約9割を占めます。協議離婚の過程で、子どもが意見を言えるようになるかどうかは、課題として残されています。せめて、子どもの意見表明の前提として、子どもが十分な情報を得てから意見を言えるような支援をすることが必要でしょう。

 

 たとえば、米国・カリフォルニア州は、「家族は変わる(Families Change)」と題して、離婚を経験する人たちに役に立つ情報を届けるための明るい雰囲気のホームページを作成しています。その中で、「親」「ティーンエージャー」「子ども」と分けて、離婚後の暮らしで失うものを減らせるように、それぞれに適切な情報や動画を掲載しています。

 

 日本でも、相談窓口の情報も含めた冊子を作って学校の先生に配布するなど、子どもに積極的に届ける仕組みを作ってほしいと思います。子どもの人権ホットラインなど相談の間口を広げることも必要です。

 

 発達には個人差もあり、子どもが何歳なら意見を表明できるかという線引きは難しいでしょう。「乳幼児だから分からない」と思いがちですが、大人がその子なりに理解できる言葉で伝え、表情やまなざしからくみ取ることもできるかもしれません。

 

 子どもの意見が反映された決定がされると、自分が大事にされたという実感をもつことができ、子どもの生きる力にもつながります。繰り返しになりますが、子どもの声を聞くことは、人格の尊重と強く結びついています。子の最善の利益の中に、子どもの意見を聞くというプロセスも入っていると考えるべきです。

 

 今回の法案で、子どもの意見表明権を保障するための入り口に立つことができました。これを機に、子どもにやさしい司法を実現してほしいと思います。(聞き手・杉原里美)

 

 

 

 

 

面会交流支援では、「子どもの最善の利益」について、

子どもの意見は「尊重」しますが、

その(個人の感情や偏見などによって色づけられた)意見が、

子どもの「最善」であるのかを常に考えています。