町名の由来は 角川地名大辞典に「川の中に湧き出る温泉で海が熱くなったことに由来」とあるが 吉田東伍は大日本地名辞典に「菅薦抄云 あつみ山は、袖の浦より十里ばかり南、温海と書く、温泉流れて海水おのずから温気ある故の名という 俗談信ずべからず」と温泉由来説を否定している。
③ 滋賀県高島郡安曇川町(参考)
貝原益軒の「諸州めぐり」に「・・・あど川あり、名所なり、高島のあど川とよめり、今はあず川というあどの湊も名所なり、あず川船にてわたる・・・」(角川地名大辞典)
安曇郷(あずみごう)「倭名抄」は諸本とも訓を欠くが 信濃国安曇郡の例からしてアツミであろう 安曇川又は舟木川 朽木川という(日本歴史地名大系)
「倭名類聚抄(倭名抄)」には 安曇は信濃の例をみても阿都美(アツミ)と読む 伯耆(鳥取県)にも安曇郷 筑前(福岡県)にも阿曇郷があり これらは皆 安曇氏の居所である。高島郡の安曇川も同じではないだろうか といったことが書いてある。
万葉集古義云「阿戸は高島郡の遠江(トホエアツミ)という里にある地なり 今はあず河と曰ふ」とぞ(日本歴史地名大系)ということで 安曇川の地名由来は 安曇族に結びついたものと理解してよいだろう。
注: 棚田である必要は無い!川などの水利があれば、平地を条里制地割の水田として開発している。山口県の向津具半島のように、場所によれば棚田、溜池そして条里制地割の水田を組み合わせて開発している。
この上下安曇地区を流れる法勝寺川と小松谷川は 合流して日野川に注ぎ 日本海へ流れ込んでいる。