熱闘!後楽園 -6ページ目

5・4後楽園ホール大会 by megane1964


熱闘!後楽園-image  本日の主役は←この方である。


 ご存じ、新日本マットでも活躍中の“弾丸戦士”、田中将斗である。


 今年はデビュー20周年だそうで、本大会は、それを記念する大会。メーンでは大谷晋二郎社長とのシングルマッチが用意されている。40歳になっても相変わらずのバキバキの体、武骨だが的確なファイト。20年、といっても、この人の場合、まだまだ通過点なのだろうが、見ているこちらとしては、「そうか、もう将斗もすっかりベテランなのか」と思わず感慨にふけったりするのである。


 本日の興行は全7試合。なんだけど、セミファイナルに出場予定だったKENSOが肺気胸で入院、3試合目に出場予定だった橋本大地が骨折、ということで、大幅なカード変更を強いられた。詳しくは公式サイト(http://z-1.co.jp/zero1/ )を見ていただけるとありがたい。まあね。とはいっても、本日は、マサトと大谷社長のシングルに尽きるけど。



熱闘!後楽園-image  ご覧のとおり→、盛大な紙ふぶきである。北側のスタンドを半分つぶした会場は、6~7割の入り、といったところだが、普段のゼロワンは南を使わない「ハーフサイズ」の使用が多いから、これでも上々の入りである。で、いつもより少しだけ盛り上がった会場の声援を浴びながら、マサトvs大谷の試合はヒートアップしていったのだった。


 2人は「同級生」なのだという。もちろん同じ学校でもないし、振り出しの団体や歩いてきた道は違う。だけど、同年齢のこの2人がリング上で対峙すると、「同じ釜の飯を食っている」ニオイがプンプン漂ってくる。


 決して華麗ではないが、基本に忠実な技の応酬。どんなときにも手は抜かない誠実なリング・ジェネラルシップ。相手のワザをなんとしても受けてやろうという「意地」、絶対に敵に後ろは見せない「張り」……。それは、ワタクシたちが愛してやまなかった「昭和のプロレス」そのもののニオイでもあったりする。


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 本日の試合も例外ではない。スタートはじっくりと、互いの調子を確かめ合うようなロックアップ。それから徐々にヒジ、ラリアット、袈裟切りの打ち合いへとヒートアップしていく。大谷は、今のようにメキシコ化する前の新日本のジュニア選手である。「闘魂」の遺伝子を踏まえたうえでの「意地」と「張り」の戦い。この無骨さから、長年着なれた革ジャンのような、ビンテージ感が漂ってくる。


 主役のマサトも、もちろん立派なビンテージ物。こちらはあの大仁田がいたころのFMW育ちだから、ハードコアの血脈も交じっている。大谷を場外に叩き落とし、机の上にくぎ付けにしたうえで、トップロープからのダイブ。試合中盤に見せたこのMOVEは、さすがの迫力なのであった。



熱闘!後楽園-image  まあね。大谷さん、といえばこれ→だからね。マサトは、といえばスーパーフライも決めたしね。お互いの手の内は分かっている。お互いの見せ場はしっかり作る。

 

 そのうえで、「何が20周年じゃあ」と気合いを入れ、挑発する大谷。メモリアル・リングを迎えたライバルに花を持たそう、手加減をしよう、なんて微塵も考えないところが、社長のいいところだ。マサトの繰り出すスライディングDをかわし、ドラゴンスープレックスを決め、スパイラル・ボムをぶちかまし、きっちりと3カウントを奪い取る。

 「プロレス界きっての浪花節オジサン」ともいえる大谷だが、全力で戦うことこそ、レスラーとしてのリスペクトのしるし、という思いが体全体から伝わってくる。


 ともすれば、ショッパイ試合を組みがちなゼロワンなんだけど、キライになれない、どうしても見に行ってしまう、のは、こういう「大谷イズム」が時として光り輝くような名試合を生むから、なんだよね。本日の試合も、まあ、名試合とまではいかないまでも、プロレス者の心を揺さぶるような好試合であったわけですよ。こういう「心意気」のある試合を見せられると、やっぱりゼロワンは、「昭和のプロレス」はいいなあ、と心から思ってしまうのだった。



熱闘!後楽園-image  まあ、田中将斗、FMWといえば、←この人たちが、こんな試合を当然、するわけで、第四試合、「田中将斗デビュー20周年記念試合」は、大仁田センセイ&黒田&リッキーvs金村&非道&保坂の6人タッグ。リング内外を使って、ハードコアな攻防が繰り広げられたのだった。


 金ちゃんを見るのは久しぶりだったけど、暴走ファイトには相変わらずの安定感。一昔前のデスマッチ、という感想を持つのは仕方がないことなのだけど、だからといって質が低いわけでもないし、つまらないわけではない。最後はいつものようにオオニタ先生がファイヤーサンダーを保坂にかましてフォール勝ち。…なんか2、3日前に同じような風景を見たような気がするなあ。


 その時と違うのは、「涙のカリスマ」がマイクを持っても、ブーイングが全くなかったこと。「この6人は仲間です」とのたまわったオオニタは、「20年間、20年間、田中将斗は全く変わることなく、オレを嫌うこともなく接してくれた。20周年おめでとう」。いつもの「劇場」ではない、飾らない言葉に、だからこそ、心からの思いが込められていたような気がした。



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 残りの5試合は、まあいいでしょう、本日は。もちろん、関本&曙のタッグは巨大だったし、佐藤耕平←の蹴りは、相変わらず重くて豪快だったし、峰ぴょんも日高もジョナサン・グレシャムも、いつもと同じ、いやいつも以上のファイトをしていましたよ。


 だけどね。やっぱり20周年を迎えたマサトの存在感、その記念試合の意味、を考えると、それをゴチャゴチャ書いたところで、かえって読んでくれている人の頭の中に 余計な情報を入れてしまって、その感慨が薄れてしまう、としか思えないんです、ワタクシには。


 プロレス冬の時代。ゼロワンも決して余裕のある団体ではない、と思います。選手を育てることはうまいけど、売り出すこと、観客を拡大していくこと、はどうしても下手な団体ですからね。




 そんなゼロワンを黙々と支え、数々の好試合を生み出しているベテランがマサトなわけです。あれだけの実績、実力があれば、メジャー団体に移籍、なんてのは簡単なはずなのに、それをしようともしない。
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 それはまあ、大谷社長のポリシーに対するマサトの無言の信頼を表している、と思うんですよ。道場でひたむきに若いレスラーを鍛える、そして彼らを盛り上げようとする「日本の正しい中小企業経営者」である大谷の姿勢を、マサトも正しい、と思っている。


 だからね、この二人が健在なうちに、佐藤耕平や崔領二や橋本大地は、もっともっと輝かなきゃいけない、と思うんです。素質は十二分にあるんだから。ゼロワンを飛び出してもいい。日本だけでなく、アメリカでもヨーロッパでもどこでも通用するメーンイベンターになることが「恩返し」なんじゃないか、と思うんです。


 柄にもなく、マジメな話をしてしまいました。説教臭くなりました。


 でもね。やっぱりワタクシも40代後半、ナニワブシな中年、なわけですよ。大谷と田中、ふたりの40代の頑張りとパワーに感心しつつ、共感しつつ、そんなことではないかなあ、と内心を推察してみたりもするのでありました。




5月3日夜 ユニオン


こんにちはノスケです
観戦前に、たらふくご飯を食べた影響か睡魔が襲い続ける


メインとその前とジジイのキャラだけが唯一の救い

救いとは書いたが試合はそれといった内容ではなかった。


○スペシャル6人タッグマッチ
石川修司&藤原喜明&風戸大智 vs 関本大介&グレート小鹿&神谷英慶

石川と関本 藤原と小鹿
など面白さはあったが
ムニャムニャムニャ


DDT EXTREME級選手権試合 ユニオン式TLCエニウェアフォールマッチ~ストリートファイター2
<王者>ケニー・オメガ vs 木高イサミ<挑戦者>
※「T」「L」「C」の頭文字のついたアイテムが公認凶器として認められる。またリング内だけでなく、場外でのフォールカウントも認められる。

確かに激しい試合ではあったけど今までの試合の退屈をフォローできるかと言えばそうではないし

場外、凶器などの条件下では・・・


そりゃできないよ。私は。
すべてのプロレスラーをリスペクトしてます。

なんだけどさ
キャラやコミカル、ストーリー、ギャグがあってもシメルトコロヲシメナイト
なんだかなぁで終わっちゃうの。

これがユニオンです。それがユニオンですと言われればもう見ないだろうし
後楽園でやらなくても。

ただ、お客さんは盛り上がってた。と思う。

私にはあわなかっただけだろう

あと、変な女がいた
場違いのヤジや声援は会場の雰囲気を悪くする

今回は詳細までレポートできないです。






このような会場で6割かな。





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フリーダムズ後楽園大会 by megane1964


熱闘!後楽園-image  葛西純は苦労人、なのだそうである。


 なのだそうだ、というのは、別にワタクシは葛西選手と知り合いでもなんでもないので、雑誌やらwikiやらで仕入れた知識だから書くのだが。


 まあ、ゼロワンに行って猿キャラをやらされたり、過酷なデスマッチの結果、手術をすることになったり……そもそもレスラーとしてはあまり体が大きくないこともあって、様々な試行錯誤を重ねたあげく、今のスタイルになったそうなのである。


 そうである、というのは、これもまた伝聞による知識だからだが、そういう葛西の過去はファンなら大体分かっている。わかっているから、七転び八起き、その雑草のようなたくましさを持ったファイトに、決して自分自身も順風満帆な人生を送っていない人々は、強く惹かれていく。葛西は現在、デスマッチのカリスマ、のひとりである。



熱闘!後楽園-image  佐々木貴が高校時代、生徒会長だったそうだ。


 そうだ、というのは…まあ、ご想像の通りだが、佐々木のファイトは、デスマッチをやっていても、まさに生徒会長そのもの。寡黙で実直で、ウソのないレスリングをいつもしているのである。


 だれもが自然と頼りにしてしまうような包容力と統率力がその背中に現れている。実際、大日本マットでは、そういう「兄貴分」的存在であるようで、なぜようで、というかというと……クドイので以下略とするが、とにかくレスラーや関係者の間、それにもちろんコアなファンの間で、貴に対する信頼度はとても高いのである。


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 つまり、フリーダムズという団体は、ピープルズチャンピオン的なカリスマと、生徒会長的なアニキが中心になっているわけだ。となると、やっぱり観客が熱狂するのはカリスマの試合なわけで、本日全6試合(詳しい内容は、こちら=http://freedoms.ne07.jp/ =を見てね)の興行で、セミファイナルに登場した葛西は、本当に会場一体となった声援を浴びていた。


 対戦したのは、「涙のカリスマ」大仁田厚とその仲間。つまり新旧カリスマの対決だったのである。


 まあ、大仁田さんも運が悪いというかなんというか。ここは葛西のホームだからねえ。何をやってもブーイングを食らってしまう。試合を終えて、得意の「オオニタ劇場」に持っていこうとしても、「オイ! オイ!」の段階で、「ブー」の嵐だから。吹本と竹田を「助さん、格さん」に置いた葛西が「電流爆破には命を張れても、蛍光灯の痛さには耐えられないのかよ」と挑発すると、会場は大喝采。オオニタ先生、さぞかしストレスがたまっただろうなあ。



熱闘!後楽園-image  試合の方は、相変わらず、ゴングが鳴るか鳴らないかのうちに、大仁田一味が葛西軍を襲撃し、華々しく場外乱闘を繰り広げる、……まあ、いつものパターン。


 それにしても感心するのは、矢口、保坂の試合運びの上手さ。ハードコアらしいスリリングでスピーディーな展開を作っておいて、最後のオイシイところは、ボス・大仁田に譲り渡す。ちゃんと本日も、お二人は仕事をしましたですよ。最後は大仁田が3カウントを取ったしね。ホント、いつみてもほれぼれするような職人技である。


 まあ、葛西サイドも竹田、というデスマッチ・キッドがちゃんといたからね。かみ合って、非常に盛り上がった試合になったのだった。


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 これだけセミが盛り上がると、メーンはやりにくいだろうな、と思ったんだけど、そこは「生徒会長」。実に堂々と正攻法で締めてみせた。


 本日のメーンは、キング・オブ・フリーダム・ワールド・チャンピオンシップ決定戦。トーナメントを勝ち上がったのは、貴と高岩竜一である。


 いや、これが実にマトモなプロレスだった。ヒジの打ち合い、ラリアットの打ち合いから始まって、お互いのパワーを誇示し、受けの強さをアピールする、実に日本的な「意地」と「張り」のプロレスだったのである。


 どうしてもデスマッチのイメージが強い貴なんだけど、この試合、凶器も蛍光灯も、フツーの意味の反則(つまり急所蹴りとか、ね)もすべてなし。新日本などで鳴らした高岩と正々堂々と渡り合った。


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 高岩の雪崩式ブレンバスター、デスバレーボムをきっちり受けて、得意のみちのくドライバーⅡをお見舞いする。カウント2・9で肩を上げる攻防が、二度三度と続いていく。


 いやあ、ちゃんとしたレスリングだってこんな風にできる。普段やっているデスマッチは、そのうえで、自分の生き方を見せるためにやっているんだ--。


 そんな貴の心の声、というかプライドが前面に押し出されたような試合だった。最後は、サソリ固めでタップを奪い、「初代王者」になったわけだけど、まあ、そんな結果はともかくとしても、感心したね、ワタクシは。


 団体の代表者ってのは、やはり時に応じて、「正統派」のレスリングを見せなければいけないことがあるわけですよ。たとえ、それが自分の普段のファイトスタイルではないとしても。「正統派」をきちんと見せることが、団体の格式にもなるし、ある種の信用にもなる。WNCのTAJIRIなんかも、あえてそういう試合をしているよね。同じことを、しっかりと今回、貴は見せてくれた。「生徒会長」らしい試合だったねえ。


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 ちなみに、本日の目玉は、もうひとつあって、グレート小鹿大先生のデビュー50周年記念試合。こちらは、小鹿&TAJIRI&藤田ミノルに、謎のジジイキャラ、がばいじいちゃんが加わって、バラモン兄弟+カラテバラモン、キャプテン・アブノーマルと試合を行った。


 まあ、これはバラモンだからねえ、バラモンの試合になったよねえ。小鹿センセイは、ボーリングの玉のエジキになったり、顔面ウォッシュみたいな攻撃をしたりと、72歳の年齢を感じさせない獅子奮迅の活躍で、最後は4人をまとめてフォール。ジ・ウィンガーから試合後に花束をもらっておりました。このほかの3試合もそれぞれに見どころ、面白さはあったんだけど、長くなるので割愛。ゴメンナサイ。



熱闘!後楽園
 カリスマ・葛西と生徒会長・貴が中心のフリーダムは、まあ、この二人が中心だから、どうしても、「大日本プロレスの別動隊」と見られがちだし、実際、出場選手も相当かぶっている。だけどね、大日本がどんどんスケールアップして、メジャーに近づいていく今、なんというかとても居心地のいい「インディー感覚」を残してくれているわけですよ、こっちの興行は。


 大日本がデカくなるのは当然だし、そうなってほしいけど、デカくなるとどうしても切り離さざるを得ない「遊び」や「趣味」の部分はある、やっぱり。それをこの団体、フリーダムズがフォローしてくれているような気がする。大日本のスピンオフ的な気軽な楽しさが、ここのマットにはある。


 だから、ファンは限られるでしょう。後楽園ホールが超満員になる、ってことはないかもしれない。でもね、年に何回かはこういう大会は必要なんだ、とワタクシは思います。大日本のファンの、インディーズプロレスのファンの、ひそかな楽しみの場として、これからも続いて欲しい興行なのだと、ワタクシ的には思った本日の興行なのでした。