総理夫人の高江来訪について、経緯の説明を試みたいと思います。


・8/5 高江へ向かい集会に参加
多くの人々が沿道で車中泊して工事や機動隊の来襲に備える

・8/6 早朝、抗議テントの強制撤去に備える現場

前日から1000人近い人々が集まっていたこともあり、
この日の工事は中止との知らせ



10時の集会をもって、一度散会した現場にて、
とある重要な相談を現場をリードする山城ヒロジさんに持ちかけました。

「安倍昭恵さんが、今日の夕方頃に現場を見たいと沖縄に向かっているが、どう対応したら良いか、現場判断を仰ぎたい」


7月に「ぜひお会いしたい」というFBでの呼びかけに応じ、昭恵さんと会食。
その後、LINEでのやり取りにおいて、高江の問題を捉えたドキュメンタリー『標的の村』を見てもらいました。また、高江の友人にも直接、状況を説明してもらう機会も設けました。

想像以上にショックを受けた様子で、
「率直に言って、そうした実態を知らなかった。現場に行って、自分の目で見てみたいが、果たして自分は受け入れられるだろうか?混乱を招くだけだろうか..」

7月に機動隊500人、警官隊1000人が動員されて、抗議の住民、市民を強制排除。肋骨を折るなどのけが人も出ている。沖縄戦や米兵による暴行事件、長い沖縄の抑圧の歴史の中で、怒りの感情が現場ではピークに達している。辺野古や高江の基地建設は選挙などで繰り返し示された県民の意思を無視して、合意形成なく強行されている。
そんな状況下にあって、昭恵さんが現場に行くことは可能なのだろうか?

高江の住民である友人へ相談するなどして、何か現場に取り継ぐことはできないか、と試みましたが、相当厳しい状況であることは伝えられました。

しかし、自分たちが支持する政党の政策のもとで、苦しんでいる人たちがいる実態を「知らない」人たちに伝えることができる。政策の是非、合意形成のあり方、について新たに議論を深めるきっかけを作ることができる。機動隊がどんな顔をしてそこに立っているか、その顔つきだけでも実際に見てもらいたい。何より、彼女が現場を訪れること自体が、問題に関心を持つ人を増やすことができる。そう考えました。

「相当に、歓迎されないであろう現地の雰囲気」を繰り返しお伝えした上で、直前まで悩みながら、それでも昭恵さんは「やはり、映画だけではなくて、この目で起きていることを確認したい」と、高江を訪れることを決意。

8/6、前日ウズベキスタンから戻ってきた昭恵さんは、ご主人にも秘書にも内緒で、2名の友人(SPではない一般人)を帯同して羽田を発ち沖縄入り。夕方頃に高江へ到着する予定で動いていました。



山城ヒロジさんの見解としては
「いかなる人でも、現場を見たいという人を拒むことは我々としてはしない姿勢だ。だが、現場の感情も踏まえて、なるべく目立たない格好でお忍びで来ていただき、私がどこかでお話しをする、ということは可能です。」

とのことでした。

しかし、前夜から雨の中、徹夜で集会や来訪者をリードしてきたヒロジさんも体力的に厳しく、午後に一度、帰宅。急遽、事務局長の朴さんが引き継いで、昭恵さんの応対をする、と伝えられました。

18時過ぎ、現場に到着した昭恵さんをテント前に帯同。朴さんがテント内を案内しました。

しかしここで、テント内では「感情を抑えて、迎えいれよう」という意見と「来訪自体、受け入れられない」という意見が同時に発生しました。

事前に来訪をお伝えして、現場の合意形成をなす猶予を皆さんに作れなかったのは、「主人にも内緒」という行動を、どこまでのラインに伝えるべきかの判断が難しく、結局はどこまでのレベルで「お忍び」なのかも曖昧なまま、NAUの記録撮影クルーを同行して前触れなくテントに入ってしまったため、物々しい雰囲気によって現場の皆さんを驚かせてしまう結果になりました。

また、情報出しをどこまでして良いのか、という判断が非常に難しく、中途半端なメディア規制を皆さんに依頼したことは、適切ではなかったと反省しています。


本日、東京へ戻ってから改めて高江の山城さん、朴さんと電話で話し、事前のやりとりの事実確認をさせていただきました。

お二人の間で、「どこか裏で応対」から「N1裏テントを案内」といった伝言の食い違いが存在したことが分かり、それが現場の混乱を生み出す一因ともなっていたことが確認されました。

最後に、山城さんの方からは
「しかしこの件は、起きてしまったこと、終わったこととして、なるべく早くまとめて、今、現場で起きていることに対応していくことを優先したい」と伝えられました。



取り急ぎ、
今の時点でできる経緯の説明をここに記しました。


乱文、最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

そして高江の緊迫はたった今も続いている状況です。
引き続き、全国の皆さまの注目と支援が必要な状況です。


当日の様子を伝えるIWJの記事
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/323920