詩人 黒田誉喜  Blog from globe -4ページ目

安全神話再び。


原発事故がなぜ起きてしまったか。
勿論、地震、津波が直接原因だが、
そのリスクに対する危機管理を怠り、放置した管理者に原因と責任がある。

気象兵器による攻撃を除けば、
地震、津波は、いつどこで起こるか
予測できないもの。

大飯原発を再稼働するにあたり、
政府の示す安全の根拠は
全く国民に説明されていない。

どんなケースを想定しているのか。

津波が押し寄せ、あらゆる配管や
施設が破壊された時に、
どのように原子炉の冷却を保持するのか。

住民避難の体制を整えたのか。

非常用電源の為の燃料は、
補給に要する時間耐え得るのか。

その為の道路の寸断は想定しているのか。

震災前と比べて何が変わったというのか。
僕はかわっていないとも思う。

どんなに素晴らしいシステムやツールがあっても、使うのは人間。

管理者の質が飛躍的に向上しなければ、事故の起こる確率は低下しない。

今、原発事故が起こる確率と、
津波を伴う地震が起こる確率は
イコールで結ばれていると僕は思う。

今回、政府が目論む再稼働。

電力の不足を補うのが目的ではない。

この国の核の炎を消さない為の
布石に過ぎない。

経済と命を天秤に掛け、
落ちたら死ぬ綱渡りをしているようなものだ。

落ちて死なない方法は、
そんな馬鹿げた綱渡りをしないことである。

たとえ向こうに渡れたとしても悦ぶのは一握りの金持ち。

落ちたとしても死ぬのは国民。

福島の悲劇を知りながら、
なぜ再稼働を容認できるのか、
僕には全く理解ができない。

みんなで核の炎を消そう。
支配から抜け出そう。


黒田誉喜












.

こんな総理大臣だったら。



「 我が日本政府は、国民の皆様が原発事故への恐怖に怯えることなく、安心して暮らせるように、本日を以って、全国の原子力発電所を含む一切の核関連施設を停止し、廃炉及び閉鎖に向けて準備を始めることと致しました。過去から現在までの政府が推進し、絶対安全と嘘をつき、地震や津波の危険性を心ある専門家の方々に強く指摘されながらも放置し、先の東日本大震災で起きてしまった、いや起こしてしまった福島第一原発事故により、ご迷惑をお掛け致しました国民の皆様に心よりお詫び申し上げます。併せて、福島第一原発より半径100km圏内を強制避難区域に指定し、避難を余儀なくされる方々の新しい住まい、職場を国が補償し、一切の費用を国が負担致します。増税せずとも、節約に節約を重ね、25兆円とも言われる、官僚人件費の整理を行い、併せて、事故を起こした東電の資産、事故を起こさせた政府の資産を用い、補う覚悟です。そして、事故収束に向けて、海外の識者や技術者の知恵も借りながら、最大の努力を払って参ります。しかしながら、もしかしたら、その資金の面で、足りなくなってしまった場合、その時は、国民の皆様にご協力をお願いするかもしれません。とにかく、あの悲惨な事故を、日本で、いや世界で二度と起こしてはなりません。日本は、脱原発を世界に向けて高らかと宣言し、核兵器と核関連施設の全廃を、世界に向けて提案していきます。どうか、ご理解、ご支援、ご支持をお願い申し上げます。内閣総理大臣 野田佳彦。」

と、言ってくれれば、
全力で支持、支援するのになぁ。

言ってくれないかなぁ。

机の上で。

ちょっと机の前で考えてみた。

今年の八月に足りない電力は、
震災前の一昨年の
八月のデータから見ると、
一ヶ月で約16,560,000kw
らしい。

全国一ヶ月で1,656万kwか。

1,656万kw 割る 30日
= 552,000kw

日本の世帯数は、
現在、約4,906万世帯。

一日に節電の必要量
552,000kwを4,906万世帯で
除したら、
0.0112kw

ということは、
一世帯当たり、
一日当たり
約0.0112kw省エネすれば、
需要と供給プラスマイナス0。

一世帯一日当たり
0.0224kwの節電を頑張れば、

1,656万kw以上の余剰を生む。
という計算。

そんなに簡単な話ではない
と思うけど、
一世帯当たり、
一日0.0224kw

一日に0.0224kwの節電?

あれ?おかしいな。
一日たった0.0224kw ?

少な過ぎないか?

計算間違えたかな。

一世帯一日当たりの
節電量が 0.0224kw

0.0224kw 掛ける30日
= 0.672kw

0.672kw 掛ける 49,060,000世帯 = 32,968,320kw

震災前の夏の使用電力と比べて
足りない電力は一ヶ月で
16,560,000kw

うっそー?!

うん、やっぱり間違ってない。
いやいや、素人計算だから、
間違ってるかもしれない。

震災前の夏と
去年の夏の
僕たちの意識は格段に違う。

震災前に比べて、この計算。

大企業が、少し頑張ってくれて、
パチンコ屋さんも頑張ってくれて、自販機の明るさを少し落としてもらったりしてさ。

ねえ、日本国政府の方々、

本当に再稼働は必要ですか?

原発なしで
夏を乗り切る実績が
不都合なだけでしょう?

素人による机上の理論ですが、

昨晩19時50分より
大飯原発の再稼働を巡り、
内閣4大臣が集まって話し合ってたみたいだけど、

1億2千万人の日本国民を
あんまりナメんなよ。












黒田誉喜

らせん




photo:01




「 らせん 」


僕たちは、
一瞬たりとも、
じっとしていることは
できない。

宇宙的視野から観れば、
僕たちは決して その場に留まることは
できない。

たとえ、
静かな朝の湖畔で
佇んでいたとしても。

たとえ、
木漏れ日の丘で、
そよ風に誘われ、
うたたねをしていたとしても。

今、この瞬間も、
僕たちは
想像もできないスピードで
飛行し続けている。

飛び散る宇宙、
天の川銀河は、
バレリーナのように、

太陽系は観覧車のように、

そして、
ラピスラズリのような地球は、

美しさも醜さも、
富も貧も、
正義も、悪事も、
君も僕も、
ひとつの荘厳な景色として、
宇宙に輝いている。

月の沈む速度で
回転しながら。

星座の沈む速度で
回転しながら。


生命を彩る遺伝子の
螺旋を描きながら。










黒田誉喜

夢みる僕ら。

「 夢みる僕ら 」



宇宙が誕生し、

太陽が燃え始め、

ポカポカ陽射しが当たる
丁度良い位置に地球が周り、

雨が降った。

その日から今日まで、

生命の鎖は途切れることなく、

バクテリアから人類まで

進化してきた。

過酷な宇宙環境の中、

磁場や太陽風に守られながら、

脆弱な惑星は、

数十億年もの間、

営みを続けてきた。

月がもしなかったら、

地球はバランスを保てず、

今頃は宇宙の彼方だ。


数えきれない祖先の出逢いが、

ひとつでも欠けていたとしたら、

僕はここにいない。

僕が生まれて今日までの間、

大病も、大怪我も、

もちろん命を落とすこともなく
生きてこられた。

君がそこにいる確率も、

僕がここにいる確率も、

気が遠くなるほど低いはずなのに、

僕はここにいて、
君も僕のすぐ傍にいる。

今日を無事に過ごし、

美味しいご飯を食べ、

あれやこれやと、

会話を楽しみ、
温かい布団に寝転がる。

そして、明日は休みだ。

今ここで、こうしていること。


そう思えば、

なんだか僕たち、


すぐ覚めてしまいそうな


夢をみてるみたいだね。


photo:01


丘へ

「 丘へ 」




車の屋根を
 
打ち付ける雨音を聞きながら、

雨に歪んだ
 
フロントガラスの向こうを
見つめている。



ひっきりなしにやってくる未来に、
 
時折うんざりしたりするけど、

それでもなんとか幻想の安息地へ逃げ込もうと、
もがく姿は、どこか滑稽で愛おしいだろ?



イマジネーションや
 
インスピレーションを羅針盤とする
スピリチャルな魂の旅路は

フィクションや
ブートレックのように扱われ



僕たちは
 
栞を挟み忘れた
読みかけの本みたいだ。



テレビジョンを灯せば
 

金を使え
 
金を使え
と言ってくる。




このままいけば
 

ハイパーテレビショッピングで、

「 一家に一台!独立型プルサーマル原子力発電機、 なんと一台驚きの59万8千円!
 今ならなんと、
さらに、プルトニウムとウランを電力換算一万年分お付けしております!送料は別途頂戴致しております!放射性廃棄物もご心配なく!なんとこの独立型プルサーマル原子力発電機、高速増殖機能を完備!
小規模核燃料サイクルを実現させているんですー!
申し込みが集中しておりますので、ご用命はお早目にお願い致します。電話番号は、オールドTOKYO 0001-2630-1099674 プルサーマル、電気、苦労なし、と覚えて下さいねー!」



なんて時代がやってくるんじゃねぇかって
ドキドキするよ。
 はぁと。


もうさあ
 
そんなことよりさあ



とりあえず
 


明日晴れたら
 
あの丘に登って


この狂おしい世界の果てについてや
 


何気ない日常を彩る
 
朝露の美しさについてや


君の
 


とっておきの夢について


語ろうぜ。



今夜は雨で星は見えないけど
 

それでもかまやしない。
 



俺たちの希望の星は
 


いつだって
 
どこにいたって


俺たちが心を閉じないかぎり
 


お互いの心の中に
 


輝いているのだから。
 




黒田誉喜
 














.
 


つぼみ


photo:01










揺れる三日月と

枯れた夕日。

聞こえる音は
なにも言わずに

静かに消えゆく
虹みたいに

空気に滲んで

一番星が
涙に見えた。



時の波間に
失くした想い出。


美しい闇と

儚い光が


夜風に
吹かれて


タンポポの蕾が

その中で

人知れず

揺れていた。




黒田誉喜





















.





電力会社と連結しない家作り

photo:01




僕が家を建てようと志してから
二年近くが経とうとしている。


僕たちは東日本大震災、
原発事故を経て、
家作りは危機管理の
大きな柱と考えるようになった。

家自体が倒壊しないことは勿論、
ライフラインが絶たれても
生活が狂わない家作り。

そしてそれは、
原発の電気を使いたくない
という気持ちと、
脱原発を成し遂げる為に、
一個人である僕が出来ることを考えた結果だった。

木と土と石の家。
そして
電力会社と連結しない家作り。

一峯建築設計
池山さんとの出会いの中で
僕たちはそこを目指すことになった。

僕たち個人個人が発電が出来て
その発電量で生活することが出来れば、電力会社は原発を持つ意味を失う。

そもそも人体の維持に
電気は必要ではない。

美しい水と美しい空気と美しい大地があれば人は生きてゆける。

電気を使わない生活を選択すれば、
脱電力会社は容易い。

しかし、
文明の利器にこれほどまで依存してきた僕たちにとって、電気を使わない生活は、不可能に近い。

冷蔵庫、洗濯機、掃除機
エアコン、ドライヤー、電子レンジ、
パソコン、それに加え、自動車までもが電気仕掛けになろうとしている。


僕は、一個人でも、発電、蓄電設備はもちろんだが、家の建て方や、電気の使い方や、生活スタイルを改善することで、電力会社の電力支配から脱却することは可能ではないかと思うようになった。

それに加えて
もし電力会社と連結せずに、
使用電力は少なくなっても、
電気を使う快適な生活が出来れば、
僕たちの生活を見て、他の人たちが
「 自分たちにも出来るんじゃないか?」
「 私たちも、こんな生活がしたい!」と
思ってもらえるのではないか。

そうすれば、少しずつ電力会社と契約しない家が増えていって、原発が自然と不要となるのではないか。

家作りと生活スタイルで
脱原発の想いを
世間に示していくことが、
詩を書いて抗うよりも
一番の支配への抵抗になるんじゃないか。

僕はそう考え始めたのだ。

では、実際に
電力会社と契約しない家は
可能なのか。

僕は可能だと信じている。

今、発電設備、蓄電設備については
暗中模索の最中だ。

間取りもほぼ決まり、

六月には地鎮祭の予定だが、

正直、電気設備については、
はっきりと決まっていない。

僕も大工の池山さんも不安は隠せない。

しかし、最近になって、
少し光明が見えてきた。

いろんな問題、
障害もあるのだけれど、

「電力会社と連結しない家。」

この目標を達成できるよう、
頑張っていこうと想う。

そして、
黒田誉喜邸
落成記念
オープニングパーティを
盛大に開催したい。w


また進捗をお知らせします。


黒田誉喜

ミサイル

photo:01





 
「 ミサイル 」


        
     
どこかの星の片隅から

       
ボタンひとつで 

       
とびだしたよ

           

      
青い空と白い雲を

        
引き裂いて

   
飛んでゆくだけのミサイル


    

海の向こうの平和の街で 

     
誰もが明日を望んでる



 
目標物まであと一万キロメートル

    
誰もが自分に夢中で

     
想いを描いている


      

ねぇママ 

  
今日学校で写生大会があるんだ


僕、青い空と白い雲の絵が描きたいな



 
目標物まであと八千キロメートル

    
誰もが自分に夢中で

   
自分を守っているだけ


           

ねぇママ 

    
明日はママの誕生日だね

  
僕、空の絵をプレゼントするよ

だから僕のときには超合金買ってね



目標物まであと六千キロメートル

橋のうえで恋人たちがケンカをしてる



あんなこと
言うつもりじゃなかったのにな

         
明日 俺から謝ろう 
仲直りしたいよ ごめんよって




目標物まであと四千キロメートル

       
         

静かな風がタンポポを揺らしてる


       

目標物まであと三千キロメートル

         


     
タンポポの種は

     
やがて海を越え

     
根を張らすだろう

       
そしてまた

     
種を飛ばすだろう


        
        

目標物まであと一千キロメートル

 
          
空き家の軒下で子猫がうまれたよ



      
目標物まであと五百キロメートル

         

     
少年の画用紙に

  
青い空と白い雲が描かれている



  
目標物まであと百キロメートル


    
空と雲のあいだに
キラリとひかるミサイル



 
目標物まであと十キロメートル

       

なんだろうあれ 


きれいだな

     
そうだ 


絵に描いてママにも
みせてあげようっと



目標物まであと五キロメートル

 
少年の絵の中で光るミサイル



 
目標物まであと一キロメートル

      
誰もがただ理想を追いかけているだけ




        
目標物まであと五百メートル

 
       
せみの最後の鳴き声が
静けさにこだまして





         
目標物まであと百メートル










         
目標物まであと十メートル

















        
目標物まであと一メートル


     
幸せが突然きえることってあるのかな


        
どこかのだれかがひとりごと

















       
目標物まであと


         
一センチメートル





        
子供たちは 
わらっている

















       
目標物まであと




           
一ミリメートル




         








          
平和の街は 














             
まだ 





















               
平和のままで



ae96 nick truly




















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どうか僕の話を聞いてくれ。

「 どうか僕の話を聞いてくれ 」


なんでみんなってるんだ?

このままじゃ世界秩序の下、

管理でがんじがらめな世界になっちまう。

この世界は、ほのぼのなんてしてやしない!


一枚めくってみれば、


欲と金とが暗闇に渦巻く
グロテスクな世界なんだ。



金融、軍隊、農業、エネルギー、
すべてを牛耳る奴らがいるってことは、
SFなんかじゃなく、

リアルそのものなんだ。
この星は、一部の巨大金融資本に支配されてる。

わかってるよ。こんなこと言うと、


あいつはイカレちまった、とか、
はいはい、陰謀論ね、とか思われるってことぐらい。

でもさ、他の方法を知らないんだ。

みんなには
僕たちの脳に絡まった鎖が見えないのか?


いったいどうなっちまってるんだ!






黒田誉喜



































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