Ricorice Pizza
2021年 アメリカ
監督 ポール・トーマス・アンダーソン
主演 アラナ・ハイム(アラナ)、クーパー・ホフマン(ゲイリー)、ショーン・ペン、トム・ウェイツ、ブラッドリー・クーパー、ベニー・サブディ、ジョージ・ディカプリオ 他
1970年代のアメリカ、ハリウッド近郊の街での
ボーイ・ミーツ・ガールのお話
私はなぜかワイルド・アット・ハートを思い出したり。そこまで混沌としていませんが、大人たちに翻弄されるところとか。
1970年代のアメリカが懐かしい人にはすごく楽しいかも。私は前半少し寝てしまった
前作「ファントム・スレッド」が重めだったので、楽しい話を撮りたかったらしいPTA。確かにそんな作品と思いました
ポッチャリ体型で自信に満ちた高校生男子に
年上のアラナ。25才には見えないと思っていたら、終盤で28だか29才だかと口を滑らせた(年齢ごまかしてる!)
フィリップ・シーモア・ホフマンの息子が主演なのが見所ですが
ブラッドリー・クーパー、ショーン・ペン、トム・ウェイツが楽しそうに演じているのも良い感じ。
そしてウォーターベッドを販売していたカツラ屋!?を演じているのはなんと
レオナルド・ディカプリオの父親!
と教えてもらいました。
さらに
この映画の日本人描写がアジア人差別と問題になり、PTAは「自分の義理の母は日本人」と弁明していて
その義理母というのが笠井紀美子さん!
いやぁビックリするネタが次々あるこの映画。リコリス・ピザというのはチェーンのレコード屋さんの店名だとかで
ほんと地元の人たちには楽しさ満載なんでしょうね。
(7月14日 TOHOシネマズ新宿)
CODA
2021年アメリカ・フランス・カナダ
監督 シアン・ヘダー
主演 エミリア・ジョーンズ(ルビー)、トロイ・コッツァー、マーリー・マトリン、ダニエル・デュラント、フェルディア・ウォルシュ=ピーロ(マイルズ)他
うーん なんか普通でした
親離れをする少女の成長物語。新鮮味が一切なく、既視感がありあり
そもそもこの映画「エール!」のリメイクなんですよね。賞を取るほどかな
演じている人が実際に聴覚障害なので
否定的な感想を言いにくいですが
クワイエット・プレイスやノマドランドの手法のパクりな気もするし
両親の下ネタが下品過ぎて、思春期の女の子ならあれは嫌なはず
なのにルビーがいい子過ぎて不自然
そもそもタイトルが。批判してはいけない圧を感じる
さすがアカデミー賞、目が節穴ですね
ルビー役エミリア・ジョーンズは
「ブリムストーン」の少女ジョアナ!なんか健康的に育って良かった!
(4月7日 T・ジョイPRINCE品川)
ゲルハルト・リヒター展
フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督「ある画家の数奇な運命」を観て以来、作品展を楽しみにしていました。ついに。
ほとんどの作品が撮影可でした
東西ドイツの歴史に翻弄されたリヒター
90才で健在。この企画展にも関与しているそうです
「ビルケナウ」(アウシュビッツ・ビルケナウ強制収容所)は
鏡を正面にすると右側にビルケナウ、左側に4分割の写真バージョン?というレイアウトで公開されることが多いとの事で
その空間に身を置くのは本当に特別な体験でした
もう絵は描かないと宣言(2020年)した後も、数多くのドローイングを描いており
創作意欲が衰えていない
自由に発言したり表現したりできる事の素晴らしさの生き証人であり、
偉大な画家と思いました。
(6月9日 東京国立近代美術館)
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ボテロ展
フェルナンド・ボテロ
コロンビアの画家です。こちらも御年90才
マンドリンのサウンドホールを小さく描いてみた時に、マンドリンが爆発した!という事で
正確に描くことは大切ではない様子。それでいてバランスは完璧で
色づかいが美しく、とても楽しい作品ばかり。
老若男女、顔立ちが一緒でツッコミたくなりましたよ
リヒターと真逆のようでいて、どちらも
純粋な芸術でありながら人間味が感じられます
小鳥のオブジェ(大きいけど)可愛い!
百貨店本体の建替えとBunkamura改修のため、ル・シネマもミュージアムも来年4月から長期休業ですね…
(6月11日 Bunkamura the Museum)
2014年 アメリカ
監督 デビッド・フィンチャー
主演 ロザムンド・パイク(エイミー)、ベン・アフレック(ニック)、ニール・パトリック・ハリス(デジー) 他
続けて、面白かった作品を。
アマゾンプライムありがとう…これは観るべき映画ですね
かかわってはいけない人物、エイミー…
でもこの夫婦、
エイミーだけに非があるわけではない。
そもそも都会のど真ん中で育ち
子供の頃から有名人だった女性を
自分の田舎に連れていって地味な暮らしをさせる
それってどうなの。
そして鈍感な、財力も知力も劣る上に
感謝の気持ちが足りない夫
エイミーじゃなくても苛々すること間違いなし。
そんなダメ夫にベン・アフレックがぴったりなんですが…
いやいや(ネタバレです)
血まみれで帰ってきた最恐の妻に耐えられるのは(耐えられる?)
あのくらい鈍感な男でなくては。
エイミーはもともとサイコパスな傾向があったのかもしれない
結婚生活がそれに拍車をかけたというか
やはり世間の注目が集まって満足なのか
この夫婦、許し合うのもまた地獄ですね
恐ろしくも可笑しいラストにしびれました。
もう一回観たい!
・・・・・・
Amazon primeにて鑑賞
(5月19日 早稲田松竹)