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Mの映画カフェ♪

映画の感想など



What’s eating Gilbert Grape
1993年 アメリカ

監督 ラッセ・ハレストレム
原作・脚本 ピーター・ヘッジズ
主演 レオナルド・ディカプリオ、ジョニー・デップ、ジュリエット・ルイス、メアリー・スティンバージェン、ジョン・C・ライリー 他

1994年日本公開の作品
「12ヶ月のシネマリレー」で再度鑑賞しました。

ジョニー・デップが兄
レオナルド・ディカプリオが弟

当時それぞれ30才、19才で24才と17才の役を演じています。

二人の共演って他にみたことないんですが、あるのかな?もしかして一度きり?

主演がこの二人でなければ、この作品はまったく違うものになったはず。
唯一無二の瞬間がギュッと詰め込まれた117分!

「パイレーツ・オブ・カリビアン」「タイタニック」ですっかりお茶の間に浸透した感のある二人ですが

大作に出演して有名になるって俳優にとって本当に良いことなんだろうか‥

まあ俳優は趣味ではなく職業ですからね。

でも私はこういうしみじみと良心的な作品が好き。

原作、脚本はルーカス・ヘッジズの父親だそうで、びっくり。



夕焼けがきれい


小さく見える飛行機

(2022.8.11 ヒューマントラストシネマ渋谷)


NOPE
2022年 アメリカ

監督・脚本 ジョーダン・ピール
主演 ダニエル・カルーヤ、キキ・パーマー、スティーブン・ユァン 他

「ゲット・アウト」「アス」が良かったジョーダン・ピール
新作は‥
ん?
M・ナイト・シャラマン化してる?

作風が見分けがつかなくなってきた‥。

エピソードの繋がりが薄いし、何を言いたいのかわからない

馬、猿、謎の飛行物体
共通するのは「制御不能」という点らしいです。人間の思い上がりかテーマだったのかな?

なんというか‥

期待も予算も大きくなり、監督の持ち味が薄れたように感じました。

(8月29日 T・ジョイPRINCE品川)


DOWNTON ABBEY : A NEW ERA
2022年イギリス・アメリカ

監督 サイモン・カーティス
原作・脚本 ジュリアン・フェローズ
主演 ヒュー・ボネビル、エリザベス・マクガバン、マギー・スミス、ミシェル・ドッカリー、ローラ・カーマイケル、アレン・リーチ、ロブ・ジェームス=コリアー、ジム・カーター、ドミニク・ウエスト、ローラ・ハドック 他

映画化第二弾!
タイトルにNEW ERAとあるように、ひとつの時代が終わります。

グランサム伯爵クローリー家が住む城が映画撮影の舞台として使用されることになり、伯爵一家は南仏へ逃げ出すことにする。使用人たちは撮影をミーハーに喜び(ここは伏線)

南仏旅行は、クローリー家に別荘を譲るという遺言を残した人物の、息子に会うためだった。

映画撮影と南仏のバカンスが並行して描かれ、それがちゃんと面白い!
さすが、ジュリアン・フェローズです。伏線回収も楽しい!

ネタバレですが

マギー・スミスは今年88歳。バイオレットお祖母様の最期をキチンと描いた今作に、私はこのシリーズまだ続くと思いました。

新しい時代はメアリーの時代

ぜんぜん話に参加していない二番目の夫なんて、もはや不要。ナレ死させても良いのでは(エッ)
さらになぜか幸せをつかみそうなトーマスには、まだまだ活躍してもらうために
次作で夢破れて帰郷して欲しい(エッ)

それもすべて、シリーズ継続のためですよ‥

私の最もお気に入りのドラマ。終わって欲しくありません!


(10月6日 T・ジョイPRINCE品川)


2022年 日本
監督 高橋伴明
脚本 梶原阿貴
主演 板谷由夏(未知子)、大西礼芳(店長)、三浦貴大(マネージャー)、ルビー・モレノ、筒井真理子、根岸季衣、柄本明、下元
史郎、松浦祐也 他

2020年に渋谷区幡ヶ谷のバス停で起きた事件に基づく、
フィクションです。

事件が他人事とは思えなかったのと、
板谷由夏さんが主演ということで観ました。

重い作品と覚悟していましたが
話は淡々と着々と進み、ちょっと笑えるところもあり
観る人によって響くポイントは色々ありそう。
何より、主張が強すぎず自己満足に終わっていないところが、映画として良かった。

事件は未知子に起きたかも知れないし、私に起きたかも知れない

自分だけは安全な場所にいるという思い込みは、脆い。

ちょっとダルデンヌ兄弟を彷彿とさせる脚本が良いですね
監督と主演が決まっていたところに、事件現場にも足を運んだ脚本の梶原阿貴さんが提案して作られた作品だそうです。

新しい働き方、自由な働き方として導入された派遣社員、契約社員といったさまざまな非正規雇用
実際は雇用の調整弁であり企業にとっては都合の良い存在。いらなくなったら切る前提です

騙されないように損をしないように
強気で自分を売り込むことができなければ転落する、嫌な社会になりました。学歴や職歴も絶対ではない

この映画でも「店長」は「社員様」だから、とパート(アルバイト?)の間で囁やきあう場面があります。

それでも未知子の存在を気にかけてくれる人がいたことが、救い。

実際の事件では加害者も保釈中に亡くなったんですよね。被害者も加害者も、どちらも助けることは出来なかったのか

時折挟まれるニュース映像が、時の流れを感じさせ
自助、共助、公助という言葉が冷たく聞こえる。
福祉を後回しにする日本はやはり二流三流の国家でしょう。

最悪なマネージャーを演じた三浦貴大さん
父親と同じく、味のある脇役になりそう。もっと活躍して欲しいですね

板谷由夏さんは「家庭教師のトラコ」でなぜか食堂のおばちゃんがハマリ役で
この人こんなに上手いんだとビックリした。そのあと雑誌eclatで美女オーラがすごいモデル姿を見て、さらに好きになりました。


(2022年10月13日 新宿 K"s cinema)
 




Coupez!
2022年 フランス

監督・脚本 ミシェル・アザナビシウス
主演 ロマン・デュリス、ベレニス・ベジョ、グレゴリー・ガドゥボワ、フィネガン・オールドフィールド、マチルダ・ルッツ、竹原芳子(どんぐり) 他

すっごく楽しみにしていたんですけど‥
始まってすぐに睡魔が!

いや半分ぐらい寝ていましたね。
最後は力を振りしぼって起きてみましたが
オリジナルより感動多めにしてあるというか

手慣れた感じとかこなれた感じとかが、カメ止めには不要な要素だと思いました

カメラを止めるな!は
無名の俳優たちと脚本と
少ない予算と短かい撮影期間が瞬発的に生み出した、
奇跡みたいな映画だったと

あらためて思わせてくれる作品でした。

(7月21日 TOHOシネマズ新宿)





Ricorice Pizza

2021年 アメリカ


監督 ポール・トーマス・アンダーソン

主演 アラナ・ハイム(アラナ)、クーパー・ホフマン(ゲイリー)、ショーン・ペン、トム・ウェイツ、ブラッドリー・クーパー、ベニー・サブディ、ジョージ・ディカプリオ 他


1970年代のアメリカ、ハリウッド近郊の街での

ボーイ・ミーツ・ガールのお話


私はなぜかワイルド・アット・ハートを思い出したり。そこまで混沌としていませんが、大人たちに翻弄されるところとか。


1970年代のアメリカが懐かしい人にはすごく楽しいかも。私は前半少し寝てしまった


前作「ファントム・スレッド」が重めだったので、楽しい話を撮りたかったらしいPTA。確かにそんな作品と思いました


ポッチャリ体型で自信に満ちた高校生男子に

年上のアラナ。25才には見えないと思っていたら、終盤で28だか29才だかと口を滑らせた(年齢ごまかしてる!)


フィリップ・シーモア・ホフマンの息子が主演なのが見所ですが


ブラッドリー・クーパー、ショーン・ペン、トム・ウェイツが楽しそうに演じているのも良い感じ。


そしてウォーターベッドを販売していたカツラ屋!?を演じているのはなんと


レオナルド・ディカプリオの父親!

と教えてもらいました。


さらに


この映画の日本人描写がアジア人差別と問題になり、PTAは「自分の義理の母は日本人」と弁明していて


その義理母というのが笠井紀美子さん!


いやぁビックリするネタが次々あるこの映画。リコリス・ピザというのはチェーンのレコード屋さんの店名だとかで


ほんと地元の人たちには楽しさ満載なんでしょうね。


(7月14日 TOHOシネマズ新宿)





CODA

2021年アメリカ・フランス・カナダ


監督 シアン・ヘダー

主演 エミリア・ジョーンズ(ルビー)、トロイ・コッツァー、マーリー・マトリン、ダニエル・デュラント、フェルディア・ウォルシュ=ピーロ(マイルズ)他


うーん なんか普通でした


親離れをする少女の成長物語。新鮮味が一切なく、既視感がありあり


そもそもこの映画「エール!」のリメイクなんですよね。賞を取るほどかな


演じている人が実際に聴覚障害なので

否定的な感想を言いにくいですが

クワイエット・プレイスやノマドランドの手法のパクりな気もするし


両親の下ネタが下品過ぎて、思春期の女の子ならあれは嫌なはず

なのにルビーがいい子過ぎて不自然


そもそもタイトルが。批判してはいけない圧を感じる


さすがアカデミー賞、目が節穴ですね


ルビー役エミリア・ジョーンズは

「ブリムストーン」の少女ジョアナ!なんか健康的に育って良かった!


(4月7日 T・ジョイPRINCE品川)




ゲルハルト・リヒター展


フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督「ある画家の数奇な運命」を観て以来、作品展を楽しみにしていました。ついに。


ほとんどの作品が撮影可でした


アブストラクト・ペインティング

8枚のガラス

モーリッツ

頭蓋骨

東西ドイツの歴史に翻弄されたリヒター

90才で健在。この企画展にも関与しているそうです


ビルケナウ


「ビルケナウ」(アウシュビッツ・ビルケナウ強制収容所)は

鏡を正面にすると右側にビルケナウ、左側に4分割の写真バージョン?というレイアウトで公開されることが多いとの事で

その空間に身を置くのは本当に特別な体験でした


もう絵は描かないと宣言(2020年)した後も、数多くのドローイングを描いており

創作意欲が衰えていない


自由に発言したり表現したりできる事の素晴らしさの生き証人であり、

偉大な画家と思いました。

(6月9日 東京国立近代美術館)


・・・・・・・

ボテロ展


フェルナンド・ボテロ

コロンビアの画家です。こちらも御年90才


マンドリンのサウンドホールを小さく描いてみた時に、マンドリンが爆発した!という事で


正確に描くことは大切ではない様子。それでいてバランスは完璧で

色づかいが美しく、とても楽しい作品ばかり。

老若男女、顔立ちが一緒でツッコミたくなりましたよ


リヒターと真逆のようでいて、どちらも

純粋な芸術でありながら人間味が感じられます


一部の作品のみ撮影可でした


モナリザ!





小鳥のオブジェ(大きいけど)可愛い!


百貨店本体の建替えとBunkamura改修のため、ル・シネマもミュージアムも来年4月から長期休業ですね…



すぐ近くにあるVIRONでランチ。


(6月11日 Bunkamura the Museum)



2014年 アメリカ

監督 デビッド・フィンチャー

主演 ロザムンド・パイク(エイミー)、ベン・アフレック(ニック)、ニール・パトリック・ハリス(デジー) 他


続けて、面白かった作品を。


アマゾンプライムありがとう…これは観るべき映画ですね


かかわってはいけない人物、エイミー…


でもこの夫婦、

エイミーだけに非があるわけではない。

そもそも都会のど真ん中で育ち

子供の頃から有名人だった女性を


自分の田舎に連れていって地味な暮らしをさせる


それってどうなの。


そして鈍感な、財力も知力も劣る上に

感謝の気持ちが足りない夫


エイミーじゃなくても苛々すること間違いなし。

そんなダメ夫にベン・アフレックがぴったりなんですが…


いやいや(ネタバレです)


血まみれで帰ってきた最恐の妻に耐えられるのは(耐えられる?)


あのくらい鈍感な男でなくては。


エイミーはもともとサイコパスな傾向があったのかもしれない

結婚生活がそれに拍車をかけたというか


やはり世間の注目が集まって満足なのか


この夫婦、許し合うのもまた地獄ですね

恐ろしくも可笑しいラストにしびれました。


もう一回観たい!


・・・・・・

Amazon primeにて鑑賞






LAST NIGHT IN  SOHO
2021年 イギリス

監督 エドガー・ライト
脚本 エドガー・ライト、クリスティ・ウィルソン=ケアンズ

主演 トーマシン・マッケンジー(エリー)、アニヤ・テイラー・ジョイ(サンディ)、マイケル・アジャオ(ジョン)、マット・スミス(ジャック)、テレンス・スタンプ、ダイアナ・リグ(ミズ・コリンズ)他

2021年公開の作品
早稲田松竹で観ました。観て良かった…
すっごく面白かった!

デザイナー志望のエリー
ファッションの学校に合格して憧れの都会、ロンドンで寮生活を始めるが
ルームメイトとそりが合わず、別の部屋を借りて住むことに

内向的なエリー
次第に精神的に追い詰められて…
というサイコサスペンスと思いきや

ホラーな展開もあり、
事件があり!真実があり!オチもあります。

エリーの家族、意地悪な同級生、ボーイフレンドや
夢(?)の中で会う1960年代の人々も丁寧に描写されていて手抜きがない。
音楽もファッションも楽しく、全方位的に文句のつけようがありません。

なかなか他人に心を開かないエリーが心配になり、破滅的な展開を予想してしまいますが
「ロンドンは危険な街」「都会に飲み込まれないで」という呪縛(アドバイス)を克服し、自信を身につけ、信頼できる人もできた姿に嬉しくなる
さわやかな青春映画だったりもします。

たくさんの映画へのオマージュが感じられるのも特徴で
わたしは「サイコ」「シャイニング」「サスペリア」などを思いだしました。

オマージュがパクりではなく正しく敬愛といった意味合いで、監督の中で消化されて新しい作品となった感じ
「ご都合主義」やチープな「伏線回収」「ネタバレ厳禁」とは一線を画す作品です。

部屋を借りるシーンの会話のひとつひとつが
後からすべて意味がわかるんですけど…
いやまさかですよね。

脚本のひとりクリスティ・ウィルソン=ケアンズは「1917」も共同脚本している人ですね。良い意味で要注意人物と思いました

また、エドガー・ライト監督は俳優の魅力を引き出すのが上手い(「ベイビー・ドライバー」のアンセル・エルゴートもむちゃくちゃ可愛かった)
アニヤ・テイラー=ジョイが魅力的なのはもちろん、あまり好きでないトーマシン・マッケンジーもすごく良かった。好きになれそう

もう一回観たい!


(5月19日 早稲田松竹)