新稀少堂日記 -942ページ目

第15回「花粉症と"子を持つ親の気持ち"」(時事問題)

 第15回は、「花粉症と"子を持つ親の気持ち"」(時事問題)です。「モンスター・ペアレント」が話題になってから、随分たちます。給食費不払いとか、保育園代の滞納とか、限りありません。


 さて、スキ゜花粉症の時期も終わりました。花粉症の発症メカニズムは、花粉に対する暴(曝)露量が一定水準に達した段階で症状が顕在化します。当然、個人差とか、大気汚染などの周辺環境が、大きくパラメーターとして作用します。


 では、スギ花粉の最盛期に、外干ししている家庭は、70%ほどあるかと思います。花粉症は、原因のはっきりしている病気です。暴露量を半減することは、簡単なことです。3月、4月だけでも、部屋干しすればいいのです。自分だけは、自分の家族だけは、決してならないと言う考えは、愚かです。通常に行動すればいいのです。ただ、シーズンだけ衣類とか、布団を部屋干しすればいいのです。


 最近、立て続けに、女子高生殺人事件が発生しました。舞鶴の事例は別にしまして、豊田市の事件は防げたと思います。不安を訴えている女性部員を暗くなってから、一人で帰す判断に問題があります。サッカー部員なり、担当教諭がわずかな配慮をすれば、防げたと思います。早めに返すとか、日が暮れれば、部員に送らすとか、・・・・。


 そして、親とか、家族にも、問題はなかったのか(犯人が悪いのは言うまでもありませんが)。事件とか事故が起きるのは、自分だけにはありえないと考えるからです。


 一方、花粉症は、わずかな配慮で防げる病気です。当人なり、親などの不注意・不見識がもたらす病気です。


 では、私は、・・・。30年ほど前、日光周辺に三年ほどいましたので、何時発症してもおかしくありません。しかし、3年でも、5年でも発症時期を遅らせたいと考えてきました。しかし、来年は、・・・????

第14回「のだめカンタービレ in ヨーロッパ」(ドラマ)

 第14回は、「のだめカンタービレ in ヨーロッパ」(ドラマ)です。ベートーヴェンの交響曲には、別名(タイトル、愛称??)の付いたものがあります。「運命」・「田園」・「合唱」などです。しかし、名曲でありながら、第7番にはないのです。フルトヴェングラー指揮のものは、ノイズだらけのモノラル版ですが、名盤です。このドラマのオープニングに使われています。凄いセンスです・・・・。


 原作は、少女マンガだそうです。連ドラは大ブレークしました。そして、今年の正月、スペシャルとして、二夜連続で放送されましたのが、この作品です。主人公は、「のだめ」こと野田恵(上野樹里)と千秋真一(玉木宏さん)です。のだめはピアニストをめざし、千秋は指揮者を志しています。


 ヨーロッパ編は、今年の正月に、二夜連続で放送されました。第一夜が面白いのです。千秋が、プラハで開催される指揮者コンテストに参加する話です。ライバルとの戦い、格闘技ドラマです。全編、クラシックが流れます・・・・。当然、チェコの作曲家スメタナの「モルダウ」もドラマ音楽として使われています。


 第二夜は、リサイタル編とも言うべき作品です。プラハから移り、パリが舞台です。のだめと千秋の恋の行方も・・・・、って展開する。のだめ節炸裂です。実際、のだめのような女性が周囲にいましたら、引いてしまいそうな存在です。それが、逆にこのドラマを面白くしているのだと思いますが、・・・・。


 御覧になっていない方は、第一夜だけでも、御覧になってください。優れたドラマです。



第13回「銀河英雄伝説」(コミック)

 第13回は、「銀河英雄伝説」(コミック)です。田中芳樹氏の長編スペース・オペラのコミック化です。アニメ化もされています。コミックでは、原作全十巻のうち、第3巻までです。


 良く出来たスペース・オペラです。2人の英雄が、膠着した銀河の歴史を変える物語です。私にとっては、「スター・ウォーズ」よりも面白く感じています。ヤン・ウェンリーは、「三国志演義」の諸葛孔明を連想させる用兵の天才です。自由惑星連合に属しています。ヤンは、中国姓の「楊」ではないでしょうか。


 自由惑星連合は、自由主義を標榜しているのですが、当初の理念を失い、既に衆愚化しています。しかし、ヤンは、民主主義に対する信頼を失いません。それが、彼の足かせとなります・・・・。


 一方の英雄、ラインハルトは、帝国軍に属してます。帝国も既に500年経過し、皇帝・貴族の腐敗・堕落のため、民衆の不満が爆発寸前となっています。ラインハルトは、帝国内の人材を集め、心密かに帝位を簒奪することを誓っています・・・・。


 そんな2人が、銀河系内で艦隊戦を繰り広げる物語です。帝国は、ドイツ語文化圏の色彩が強く、自由惑星連合は、その他の民族で構成されています。ユダヤ人を想起させる人物も登場します。抜群に面白い小説であり、アニメなのですが、ハリウッドで映画化されることはないかと思います。


 小説版の第一巻は、艦隊戦が中心に描かれ、特に面白い一作となっています。では、コミック版はと言いますと、絵が安定していないのです。キャラの顔が安定していないのです(時に顔が変わります)。やはり、コミックはキレイな絵が命です。面白い原作だけに残念です。

第12回「小沢代表の提起する"すばらしい新世界"」(時事問題)

 政権交代が、実現可能になってきました。年内に解散・総選挙となりましたら、民主党政権が実現する可能性が大かと思います。


 民主党は、昨年の参院選で消費税をアップしないことと、数々の行政サービスを公約として約束してきました。年内に入りましても、揮発油税の暫定税率の廃止を訴えると共に、さらなる行政サービスを約束しています。


 すばらしいことです。税収は必要とせず、更なる行政サービス。オルダス・ハックスレーは、アンチ・ユートピア小説として、「すばらしい新世界」を書きました。


 税金が低くなり、サービスが向上するのであれば、否定する材料はありません。ガソリン税の値下げは、再可決で当面見送りとなりましたが、民主党政権が誕生しましたら、今までの経緯から、廃止法案を提出する義務が生じます。そして、さらなる行政サービスの誕生が、・・・。


 ガソリンの値下げを希望する人は、次回の総選挙で是非民主党に投票すべきです。確実にガソリンは下がります。そして、「バラマキ行政」が復活します。これが可能であれば、否定する根拠はありません。ただ、そういう"すばらしい新世界"が可能かどうかは、小沢代表が一番知っているかと思います。


 かって、彼は湾岸戦争の協力費として、一兆円を支出した責任者の一人(幹事長)でした。マニフェストだけでなく、日頃の政党としての主張が、小沢代表と民主党を拘束します。次の選挙では、民主党に投票しましょう  ????

第11回「あさってDANCE」(コミック)

 第11回は、「あさってDANCE」(コミック)です。山本直樹さんのコミックです。スエキチは、冴えない青年ですが、数億円の遺産を受け取ります。しかし、泥酔した翌朝、となりに一人の女が、・・・・。青春ラブ・コメディです。絵は、直接的な表現が多いのが、特徴です(子ども向きではありません)。


 このコミックの面白さは、タイトルにあります。タイトルが、作品のコンセプトです。よく練られたタイトルです。「夫婦とは、・・・・」に対し、スエキチのオヤジは、「日常生活に埋没しながらも、ふとしたとき、一緒にDANCEを、それが夫婦だ」と語ります。


 夫婦でダンスを踊る人は稀かと思いますが、趣味を共有する夫婦は多いと思います。一方、不即不離がベストだと言う人も多いと思います。付かず、離れず。それぞれの夫婦関係があるかと思います。「あさってDANCE」は、著者のひとつの提案ですが、面白い問題提起でした。ですが、あくまで青春コメディ漫画です。

第10回「大草原の小さな家 第1シーズン」(テレビドラマ)

 第10回は、「大草原の小さな家 第1シーズン」(テレビドラマ)です。現在の日本では、四姉妹はさすがにほとんど聞きませんが、三姉妹は珍しくありません。男の子より、女の子を欲しがる傾向が強くなっているように思えます。では、フロンティアを目指したアメリカの農家は、・・・・。開拓には、男手がどうしても必要です。開拓地に着くと、家を建て、農地の開墾が必要です。全て力仕事です。エリアの近隣の力も借りますが、一家の夫が主戦力です。


 インガルス一家は、6人家族です。夫婦と娘4人(第1シーズンでは、末娘はまだ生まれていません)。原作者は次女のローラです。開拓時代の思い出を、断片的に書き連ねていったものが、「大草原の小さな家」シリーズです。小説の体裁をとっていますが、基本的に記憶に基づき、書かれていると思います。


 この父親が凄いのです。グチを決してこぼさないのです。農家ですので、当然男の子が欲しかったと思うのですが。母親は、元教師です。娘たちの教育も担当しています。家を始め、基本的に生活物資は全て自給自足です。ガラスのはいった窓枠は大変な貴重品です。燻製などの保存食は主婦の仕事です。


 彼ら一家の開拓した土地は、次シリーズ以降、移転を余儀なくされます。インガルス一家は、資本主義の波にも曝されます。父親は、開墾をあきらめ、最終的に町に住み、賃仕事で生計を立てることにします。長女メアリーは、その後、失明します。ローラは、教師となり、結婚します。夫は、事故で足に障害が残ります・・・。原作とドラマは微妙に異なっていますが、西部開拓史を生きた一人の女性の視点で、温かく描かれています。


 ネイティブ・アメリカンとアフリカ系アメリカ人の描き方に違和感を感じざるを得ないのですが、それは歴史的表現として、問題にすべきではないかと思います。

第9回「ファントム」(ホラー)

 第9回は、「ファントム」(ホラー)です。アメリカを代表する現役のホラー作家としては、スティーブン・キングとこのディーン.R..クーンツが挙げられると思います。アメリカでの評価は、断然キングの方がが高いのですが、私はどちらかと言いますと、クーンツの方が好きです。ある時期を境に大バケした作家です。特に「ウォッチャーズ」は面白いのです。


 キングの作品群は、私が見ただけで20作以上が映像化されています。クーンツのこの作品も映画化されていますが、原作の方が圧倒的に面白いのです。小説であるだけに、登場人物の性格設定をおざなりにしていません。700ページほどの本ですが、300ページほどは、謎の提起となっています。この前半部分が面白いのです。ミステリーです。


 妹を引き取ることになった女医は、町に戻ってきます。町は人口500人ほど、冬はスキー、夏は避暑地として成り立っている町です。女医は妹を家に連れてきますが、家政婦は変死しています・・・・。そして、町には人の姿が在りません。派遣されている保安官補も、死体で発見されます。近くの店に寄りますと、夫婦の首が切断されています。残りの住民はどうなっているのか、姿が見えないのです。


 女医は、郡の保安官に連絡します。そして、保安官以下6名が、駆けつけますが、・・・・。8名が、前半の主要登場人物です。ひとりひとりのキャラクターが確り描かれています。彼らは、鏡に化粧品で残されたメッセージを見つけます。「ティモシー  フライト  古代からの  敵」の四つの単語です。前の二語は人名であることに間違いはないと思えます。そして、「古代からの敵」とは、・・・・・。


 後半、犯人が姿を現します。面白い設定です。ラブクラフトへのオマージュのような展開になっています。映画版では、前半部分が大幅にカットされています。どうしても視覚的な問題から、後半部分に力点を置かざるを得ないのが残念です。

第8回「SOS大東京探検隊」(コミック)

 第8回は、「SOS大東京探検隊」(コミック)です。大友克洋氏の短篇集です。1979年から1995年までに雑誌に掲載された作品集となっています。ジャンルは、青春ものから少女漫画まで多様です。作者のあとがきによりましたら、「童夢」を書いていた時に、時間を見つけて書きためたもののようです。当時、「AKIRA」も連載していますので、最も活動的な時期だったかと思います。


 (5月2日追記) 12編の短篇で構成されていますので、当然作品の質につきましては、むらがあります。ですが、全編を読み通しますと、オオトモ・ワールドが見えてきます。笑えましたのは、「危ない!生徒会長」です。少女マンガです。完結していないのですが、ストーリーはよくできています。平凡な女子高生が、女子高の生徒会長に立候補する話です。対抗馬として、学校一の秀才と、500人の部下を擁するスケバン・グループの番長です。開票の前から、負けると思われたのですが、何故か一位で当選します。その訳とは、・・・・・。シリーズ化して欲しい作品です。


 「猫はよく朝方に帰ってくる」は、作者があとがきで書いていますように、「エロイカより愛をこめて」のパロディです。日本で、ハードボイルドの作品を書こうと思いましたら、このような作品になるかと思います。主人公はイケメン探偵です。今度の依頼は、失踪した猫を探すこと・・・。ヤクザの抗争も絡み、はたして探偵は無事迷子猫をさがせるか・・・。と言う展開です。


 「SOS大東京探検隊」は、小学生5年生三人が、幻の「丸ノ内線 丸ノ内駅」を探す冒険物語です。12編の中では、最も大友氏らしい作品です。1980年の作品ですが、小学生の一人が語る「もう冒険ではなく、塾の時代」となっています。彼らが地下で見たものとは、・・・・。

第7回「自己紹介 その2」(自己紹介)

 先週一週間は、店舗(古書店稀少堂)の閉鎖に追われました。それも、わずかな手違いがありましたが、無事引渡しを終えました。下の写真は、現在の自宅のリビングです。15箱ほどのダンボール箱の整理が必要ですが、落ち着いたというのが実感です。


 5月下旬頃、第一回目の「四国八十八ヶ所」めぐりを実行したいと思っています。今回は無理をせず、吉野川沿いの寺を数日で回る予定です。


 当面、片付けと、ブログの作成に時間を費やしたいと思っています。今後とも、よろしくお願いいたします。

第6回「ラスト サムライ」(DVD)

 第6回は、「ラスト サムライ」(DVD)です。方言を、地元の老人同士が話しますと、あたかも外国語のように、全く意味が分らない体験がありました。学生時代、山に登っていた際、東北地方に行ったときと、社会人になった後、行った鹿児島・沖縄です。当然、観光客に話す言葉に、若干のイントネーションの違いがあるものの、意志の疎通に問題はありませんが、・・・・。


 この映画を御覧になった方は、副主人公である勝元(渡辺謙さん)が、西郷隆盛をモデルとしていることに異論はないかと思います。十回ほど観直しています。毎回、ラスト30分には泣けます。西郷隆盛は、鹿児島県人の誇りかと思います。「せごどん」は、地元の老人同士の会話でも、聞き取れます。しかし、西郷さんは、坂本竜馬と並び、地元だけのヒーローではありません。私だけでなく広く日本人にとって、大好きな歴史上の人物です。


 アメリカ人とアメリカ人スタッフが描いた西郷隆盛像であり、サムライ像です。そこには、侍に対する誇りを忘れた日本人にとっても、共感できるものがあります。明治維新時の日本の光景は、ロケとCGで再現したようです。瓦なども、一部の武家・商家を除き稀だったようですので、あながち描写に誤りは少ないかもしれません。


 中村半次郎(桐野利秋)らしき人物も登場します。真田広之さんが演じています。「マッハGO!GO!GO!」にも出演しているそうです(悪役らしいです)。


 アメリカ映画ですので、若干の違和感はありますが、サムライに対する最高の敬意をもって映像化されていますので、日本人には嬉しい一作でした。